2023.02.10 08:47
「からすみ」あめ色に輝く 高知県須崎市の特産
えびらにずらっと並んだあめ色のからすみ(須崎市の富士ケ浜)
同市では沖ボラが大漁だった約40年前にからすみを作り始めた。現在は水産加工会社数社が生産しており、市のふるさと納税返礼品としても人気を集めている。
気温が20度を下回る晩秋から3月ごろまでがからすみの加工シーズン。ちりめんじゃこなどを製造する宮進商店(南古市町)は、地元や西日本一円から沖ボラの卵巣を仕入れている。1週間ほど塩漬けにした後、塩や脂を抜く秘伝の工程を経て、富士ケ浜で数週間天日にさらす。
天候や風によって熟成の進み具合が変わる繊細な作業。熟練の従業員が状態を見極めながら数時間ごとに裏返し、仕上げていく。同社の宮本進太郎社長(46)は「原料は沖ボラの卵巣と塩だけで、あとは須崎の自然でじっくり出来上がる発酵食品。手間暇かけておいしくなっているので一度味わってほしい」と勧めていた。(富尾和方)