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2022.12.01 08:35

潮江東小の大根 城西館に 児童栽培 伝統野菜を納品 9月台風被害の入荷遅れ救う

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山内大根を城西館に納入する潮江東小の児童たち(高知市潮新町2丁目の潮江東小)

山内大根を城西館に納入する潮江東小の児童たち(高知市潮新町2丁目の潮江東小)

 児童が紡いだ伝統、老舗旅館へ―。高知市の潮江東小学校の児童が30日、自ら育ててきた「山内家伝来大根」を城西館(同市上町2丁目)に納入した。台風被害で営農組合の入荷が遅れそうなところを、同小が救った形。大根は宿泊客の夕食に提供される予定で、城西館は「大助かり」。児童たちは「おいしく食べて」と笑顔で届けた。

 山内大根は山内一豊が持ち込んだとされ、牧野富太郎博士が後世のため保存を指示した「牧野野菜」の一つ。2017年から「Team Makino(チームマキノ)」のメンバーで網川営農組合代表の前田博茂さん(72)が同市土佐山で栽培している。

 ところが9月の台風14号で苗が全滅してしまい、城西館への納入が遅れそうな事態に。一方、潮江東小は伝統野菜を通じた食育を実践し、学校近くのハウスで山内大根を栽培。今年も5年生36人が種まきや間引きなどに励み、約180本が収穫を迎えていた。

「スポッと抜けて気持ちいい」。自ら育てた大根の収穫に汗を流した(同市新田町)

「スポッと抜けて気持ちいい」。自ら育てた大根の収穫に汗を流した(同市新田町)

 同校の食育に協力しているのが、チーム代表の熊沢秀治さん(65)。苗全滅を知って、「児童の大根で代用できる」と城西館に提案すると、「熊沢さんが監督した野菜なら信頼できる。ぜひ」と快諾を得た。

 児童たちは納入に当たり価格を設定。「安いとブランド価値が下がる」「お金のためじゃない」と意見を出し合い、1本160円に決めた。30日は朝からハウスで収穫し、1本1キロにもなる大根を「重いけどスポっと抜けて気持ちいい」「葉が傘みたい」とわいわい汗を流した。中越蓮星君は「来年も、大人になっても大根を育てたい」。

 同校で大根を受け取った城西館の和食料理長、松本昌時さん(56)は「山内大根は柔らかくて煮物やサラダに最適。大切に調理します」と感謝。伊勢エビだしの煮物や菜飯にして12月1日から提供する。(川田樹希)

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