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2022.11.29 08:40

低料金で食事を提供する「地域食堂」が四万十町に続々 3つの住民団体が開設 子どもからお年寄りまで孤食防いで交流促進

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カレーライスを作る「東又移動ふれあい食堂いこい」のメンバー(四万十町平野)

カレーライスを作る「東又移動ふれあい食堂いこい」のメンバー(四万十町平野)

 高岡郡四万十町でこのほど、子どもからお年寄りまで幅広い世代に低料金で食事を提供する地域食堂が相次いで3カ所開設された。いずれも孤食を解消して住民間の交流を深めるのが狙いで、立ち上げた有志らは手弁当での活動に精を出している。

無農薬米や有機栽培の食材を調理する「みんなの食堂ジョルジョ」のメンバー(同町大正)

無農薬米や有機栽培の食材を調理する「みんなの食堂ジョルジョ」のメンバー(同町大正)

 新たな食堂は窪川地域の2カ所と大正地域の1カ所で、それぞれ8~9月に運営を始めた。

 このうち窪川地域では、東又小学校(黒石)の校区住民が「東又移動ふれあい食堂いこい」を設立。月1回ペースで地域の集会所を巡回し、カレーライスを提供している。初回は新型コロナ対策でテイクアウトとしたが、実行委会長の国元豊美さん(72)は「子どもからお年寄りまでが一緒に食事をし、一緒にゲームで遊び、昔話を話し聞ける場にしたい」と話す。

 食事は1人250円。取り組みを知った住民から食材や商品券などの寄付も寄せられ、国元さんは「資金が少ない中で本当にありがたい。息長く続けたい」と張り切っている。

 また同町本町の飲食店舗では、月1回の「すだち食堂」が始動。300円でおかわり自由のカレーライスや、唐揚げなどを提供する。有志代表の谷明日香さん(40)は県の高知家子ども食堂登録制度の活用も視野に、「子どもたちが巣立つ姿を見届けたい」と温かなまなざしを送る。

 大正地域でオープンしたのは「みんなの食堂ジョルジョ」。移住者ら住民有志が毎週日曜に中心街の民家を借り、無農薬栽培米などを使った弁当を販売している。価格は大人500円で、80歳以上と中学生以下は100円だ。企画した同町相去区長、中町博信さん(71)らは「住民が触れ合う場にして地域のつながりを深めたい」と意気込む。

 ほか大正地域では4年ほど前から熊野神社でも毎月9日に「じんじゃ食堂」(中学生以上200円、小学生100円、小学生未満無料)が営まれ、幅広い世代が食事を囲んで交流している。

 今回新たに生まれた3食堂とも、行政の補助は受けず各住民グループが自発的に開設しており、時期が重なったのは偶然という。山あいの町に、善意の輪が一気に広がっている。(小林司)

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