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2022.11.17 08:40

色彩豊かに魚描きファン多数 高校生・後藤さん(香南市)11/20ヤ・シィの秋まつりで実演

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後藤偉地さんの絵をあしらったポーチやメモ帳、お弁当袋などのグッズ

後藤偉地さんの絵をあしらったポーチやメモ帳、お弁当袋などのグッズ

一匹一匹の魚を細かく鮮やかに仕上げる後藤さん。時には3、4時間ぶっ通しで作業することも(香南市野市町西野ののいちふれあいセンター)

一匹一匹の魚を細かく鮮やかに仕上げる後藤さん。時には3、4時間ぶっ通しで作業することも(香南市野市町西野ののいちふれあいセンター)


 「これはSATOUMI(高知県立足摺海洋館)の魚シリーズ。こっちは図鑑を見て描いた深海魚で…」

 メバルやホウボウ、カツオなど数十種類の魚が、スケッチブックいっぱいに泳ぐ。描いたのは香南市野市町中ノ村の太平洋学園高校2年、後藤偉地(いち)さん(17)。言語でのコミュニケーションが苦手という発達障害があるが、絵を契機にファンが生まれ、交流が広がっている。

 保育園の頃から絵が大好き。映像、写真など視覚でえた情報を描写するのが得意だった。描くのは専ら魚。特に好きなのはキラキラした海の魚で、テレビや水族館で見た魚を色鉛筆で描く日々を送っていた。

 母親の勧めで中学2年時から絵画教室へ。技法や画材の使い方などを広げ、さらに色彩豊かで世界観のある作品が描けるようになった。指導する近代日本美術協会高知支部長の山本洋一郎さんも「もともと持っている良いものがさらに膨らんだ」と上達を認める。

 学校では同級生との関わりで苦労もあったが、自由帳を開くと一目置かれた。昨冬、絵を印刷したポーチやメモ帳を販売するようになると、3歳の男の子から釣り好きのおじいちゃん、主婦など、さまざまな人がファンになってくれた。

 「絵を描くことで認めてもらえた。うれしいし、それが自分にとってすごく大事」と後藤さん。作品を通し、初対面の人とも少しずつ話せるようになった。

 目指すのは画家。小物を売って活動資金を稼げるようにと学校では被服コースで学びながら、毎日制作に励んでいる。将来に備えて幅広いテーマで描く練習を重ねているそうで、「魚以外にもチャレンジしたいし、むろと廃校水族館など描きたい水族館シリーズもある。もっとたくさんの人に認めてほしい」と思いを語っていた。

 後藤さんは20日、同市夜須町のヤ・シィパークで開催される「ヤ・シィの秋まつり」で絵を展示し、作画を実演する。(深田恵衣)

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