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2022.11.11 08:40

教職員の逮捕が今年8人、高知県教委「信頼失い教育破綻」教育次長「特効薬ない」 いの町で臨時校長会

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逮捕者が相次ぎ、県立学校の校長が再発防止を話し合った臨時校長会(いの町天王北1丁目の県立高知青少年の家)

逮捕者が相次ぎ、県立学校の校長が再発防止を話し合った臨時校長会(いの町天王北1丁目の県立高知青少年の家)

 高知県内教職員の逮捕が今年に入って相次いでいる事態を受け、県教委は10日、臨時校長会を開いた。9日夜にも8人目の逮捕者が出ており、県教委は「異常事態だ」と頭を抱える。会合では竹崎実教育次長が「教職員の信頼が失われ、教育が破綻していると言わざるを得ない」と危機感をあらわにしたが、不祥事防止に向けた解決策は見いだせていない。

 吾川郡いの町で行われた会合には、6人の逮捕者が出た高校など県立全44校の校長らが出席。別の公務のため長岡幹泰教育長は欠席した。

 冒頭、竹崎教育次長は「状況は深刻だ。子どもたちのために働くまじめな教職員にも迷惑がかかっている。これ以上の不祥事の発生は防がなければならない」「いま一度各校で教職員の状況を把握し、再発防止を徹底してほしい」と訴えた。逮捕事案の概要説明の後は非公開で行われた。

 終了後、取材に応じた県教委によると、会合では逮捕事案が起きた6高校の校長が当該教員らの普段の勤務態度などを説明した。それぞれが「勤務中の言動から(犯行に及ぶ)兆候を見つけるのは難しい」などと異口同音に語ったほか、「教職員同士のコミュニケーションが不足がちだった。ストレスが増したのかも」などの声が出た。

 出席者からは「(不祥事は)個人に起因すること。気付くのは難しい」「長時間労働のストレスなどもつながるのではないか」「話しやすく相談しやすい雰囲気づくりが大事」といった意見が出たという。

 県教委はこれまで各校で不祥事が発生した場合、概要と注意喚起文を全校に通知。体罰やわいせつ事案などの防止用に作った冊子を使い、研修を行うよう呼び掛けてきた。だが、出席したある校長は「やってはいけないと分かっていながら、理性の抑止が利いていない。研修で何とかなるのか」と嘆いた。

 竹崎教育次長も取材に対し、「特効薬がない。(時代の変化で)教員間のつながりが希薄になってきたのも一因かもしれない」などとし「過去の不祥事事案の原因も分析して、対策を検討したい」と述べた。

 県教委は「勤務外でも教職員としての自覚を持ってほしい」と、11月中に全教職員対象のアンケートを行う方針。勤務外でも信用失墜行為の禁止など、服務規律を課せられていることを理解しているか▽仕事上の悩みを上司や同僚、家族に相談できているか―など10項目程度を想定しており、校内研修につなげてもらうという。(新田祐也、加治屋隆文)

組織として問題ある
 長岡幹泰・県教育長の話 教職員の逮捕はあるまじきこと。子どもたちに申し訳ない。精緻な分析はできていないが、一般行政職員、普通の社会人と比べても(逮捕事案の)発生率が高すぎる。組織として問題があるのだと思う。われわれの危機感がすべての教職員に行き届いていないのではないか。それは私の責任であり、校長の責任。襟を正して反省しなければならない。

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