2022.10.07 08:45
制服は選べる時代?高知市立中で本年度から...女子スラックス7割導入、夏服はポロシャツ人気 生徒は大歓迎
黒いポロシャツや女子用スラックスが加わった愛宕中の制服(高知市相模町)
ジェンダーレス制服に改定した土佐山学舎(高知市土佐山桑尾)
本紙のまとめでは、同校を含め「手入れが楽」「下着が透けにくい」などとして市内5校が本年度、ポロシャツを導入していた。
こうした制服変更の流れをつくったのは、2021年の市議会9月定例会で採択された請願だ。市内の母親が「性別で制服を決められることが精神的負担になる子がいる」としてジェンダーレス制服の採用を求めて提出し、全会一致で採択。市教委が全19校(義務教育学校含む)に導入に向けた協議を始めるよう指示した。
これを受け、女子用スラックスを採用した学校は21年4月時点のゼロから、22年度は13校に。すでに来年度の採用を決めた学校もある。
先の愛宕中も本年度から導入し、10人ほどがスラックスで通う。生徒は「小学校ではズボンの子も多い。中学で急にスカートになるのが嫌な人もいる」「冬はスカートだと寒い。ズボンを選ぶ人が多くなると思う」と歓迎。近く新しいブレザーも登場するという。
気になる値段だが、制服は業者によって生地などが異なるため、さまざま。
同校の制服を扱うある業者の場合は、従来の半袖白シャツが男子2860円から、女子3872円からで、ポロシャツは男女ともサイズを問わず3850円。冬場の詰め襟は2万6千円からで、ブレザーは2万3千円。女子はこれまでのジャンパースカート、ジャケット、白シャツのセットは計約5万5千円からだったが、スラックス、ブレザー、シャツなら計約3万6千円からになるという。
複数の校長は「将来的にはブレザーなど、ジェンダーレスな制服に一本化されるのでは」と推測。実際、青柳中は来年度の新入生はブレザーのみにするという。
愛宕中の溝渕校長は、「かつてない変化が起きている。これも時代の流れ」と話した。(新田祐也)