2022.09.25 08:00
小社会 冷戦と釈放
「冷戦の推移はわれわれの唯一の頼みだった。これが悪くなってくれれば、首を絞められずに済むだろうと思った」(中公文庫「岸信介証言録」)。満州で辣腕(らつわん)を振るい、満州を「自分の作品」とまで言った。その後、商工大臣になり日米開戦の詔書に副署、戦時の中枢にいた。
その岸が1948年12月、東京裁判への訴追を免れ、巣鴨拘置所を出た。東条英機らが絞首された翌日だ。米国は日本を反共、防共の砦(とりで)に使うことにし、そのけん引役として「俺に目をつけた」というのが岸自身が見立てる釈放理由だ。
岸と同じ日、やはりA級戦犯だった右翼の児玉誉士夫、笹川良一も巣鴨を出た。児玉は岸政権の舞台裏でも暗躍。笹川は拘置所で目にした米雑誌でモーターボートを知って競艇事業を始め、岸の資金も助けた。60年代、岸邸の隣が旧統一教会の拠点になる。笹川の紹介だったという。
安倍元首相の国葬に使われる日本武道館は64年の東京五輪の年にできた。2度目の東京五輪が終わり、世情が荒れている。歴史の残像が立ち現れ、そこから何かが出てくるような事件と騒動が続く。
戦後日本。ずいぶん遠いところまできたようでもあり、さほど遠くはないところをぐるぐるしているようでもある。
9月25日のこよみ。
旧暦の8月30日に当たります。 かのと み 四緑 先勝。
日の出は5時56分、日の入りは17時59分。
月の出は4時57分、月の入りは17時52分、月齢は28.8です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時23分、潮位190センチと、18時01分、潮位194センチです。
干潮は11時42分、潮位37センチと、23時57分、潮位61センチです。
9月26日のこよみ。
旧暦の9月1日に当たります。みずのえ うま 三碧 先負。
日の出は5時56分、日の入りは17時58分。
月の出は5時57分、月の入りは18時19分、月齢は0.2です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時59分、潮位197センチと、18時24分、潮位198センチです。
干潮は12時12分、潮位39センチです。