2024年 04月20日(土)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2022.08.16 08:40

3世代で平和の尊さ伝える 7歳磯野君(高知市)追悼式最年少 「戦争いかんことや」

SHARE

3世代で全国戦没者追悼式に参加した磯野万葉君=左=ら(東京都千代田区の日本武道館)

3世代で全国戦没者追悼式に参加した磯野万葉君=左=ら(東京都千代田区の日本武道館)

 15日、東京の日本武道館で行われた全国戦没者追悼式には、本県から10人が参列した。この中で、全国最年少となったのが、高知大付属小2年の磯野万葉(かずは)君(7)=高知市。平和の尊さを伝えていきたいと願う、祖母・吉川夏恵さん(80)=長岡郡本山町、伯父・吉川裕三さん(57)=同=と一緒に、3世代で祈りをささげた。

 万葉君の曽祖父(夏恵さんの夫・実さんの父)、吉川重久さんは、1942(昭和17)年11月に東部ニューギニアで戦死。大伯父(夏恵さんの兄)、公文良男さんも、41(同16)年4月に中国湖北省で戦死した。

 良男さんが23歳で亡くなった翌年に、夏恵さんは生まれた。「とても頭の良い人だったとか。(戦死が早い時期で)地元では大勢の人が並んで遺骨を迎えたそうです」

 重久さんについては「優しい人で奥さんをすごく大事にしたと聞いています」。家に届いた白木の箱に遺骨はなく、中身は眼鏡とたばこ入れ。しかし、重久さんは眼鏡をかけず、たばこも吸わなかった。このため、実さんは「父が生きているかもしれない」との思いを捨て切れず、ニューギニアへ3回も慰霊訪問したという。

 裕三さんは、8年前に亡くなった父・実さんの思いを受け継ぎ、戦没者慰霊に力を注いできた。県遺族会青年部の役員として取り組む忠霊塔の清掃活動には、万葉君を小学校入学前から連れて行っている。

 「みんなとお掃除するのは楽しい」とにこやかに話す万葉君。裕三さんは「活動にどういう思いが込められているかは、まだ分からないでしょう。でも中学生、高校生になれば分かる。戦後77年間の平和は、亡くなった人たちのおかげ。後世に伝えていかないと」と優しく見守る。

 夏恵さんも「万葉はロシアのウクライナ侵攻のニュースを見て『戦争って人の殺し合いやろ、いかんことや』と言ったこともある。これからも命や平和の大切さを学んでほしい」と話した。(片岡昭夫)

高知のニュース 高知市 語り継ぐ戦争・戦後

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月