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2022.08.12 08:36

コロナ下の演舞に観客歓喜 感染拡大に懸念の声も〈高知 よさこい 2022〉

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大勢の観客でにぎわうアーケード(高知市帯屋町1丁目)

大勢の観客でにぎわうアーケード(高知市帯屋町1丁目)

 新型コロナ下で開かれた「よさこい鳴子踊り特別演舞」が11日、終わった。3年ぶりに帰ってきた夏のにぎわいを喜ぶ声の一方、さらなる感染拡大を心配する意見も。会場周辺で声を拾った。

 「コロナで見られなくて、さみしくて」

 はりまや橋会場で踊り子をうちわであおいで応援した高知市の公務員、樺島一彦さん(64)は「躍動感、リズム感、いろんな踊りが見られるのがよさこいの魅力。本当に興奮します」と開催を喜んだ。はりまや橋商店街で衣料品店を営む桑名真紀さん(81)も「夏のにぎわいが戻ってよかった。2日間は商売にならないし、掃除して設営して。今夜は夜を徹して片付け。でも、それができる幸せがある」とにっこり。

 追手筋会場で知人のチームを見た高知市の女性(44)は「ダンス教室やデザイナー、美容院などよさこいが支える仕事は多い。いろんな表現の場があるのは大事」と話した。

 規模縮小で「中途半端になった」という声も。新京橋商店街の菓子店に勤める串岡佳子さん(63)は「チームが途切れなく踊ったり、花火と一緒に前夜祭があったり。それがよさこいの醍醐味(だいごみ)よね」と残念がった。

 今回の特別演舞では、四つの商店街が開催を見送った。

 菜園場商店街の果物店の従業員、中平康太さん(36)は「よさこいがあるから、いつもは会わない人と話ができて、つながりが生まれる。今回は菜園場によさこいはないけど、特別演舞があってよかった」。升形商店街の店でテレビ中継を見ていた女性(84)は「さびしいわね。けど、コロナやき、どうしようもない。皆さんも苦労があったと思う」と話した。

 ◇ 

 演舞初日の10日、県内の新規感染者数は過去最多を更新した。

 11日、勤務を終えて帰宅中の30代女性看護師は「よさこいをやると決めた人、参加した人たちに、コロナで忙しい病院の現状を見てほしい。私は踊り子として踊ったこともあるし、よさこいが好きだからこそ、今年は複雑」と吐露した。

 男性医師(36)も「医療現場はいっぱいいっぱい。『よさこいで感染が拡大する』って反対する同僚が多かった」と明かした。ただ、自宅近くの会場を見に行くと「みんな検温や手指消毒をしてたし、暑い中でマスクもちゃんとしてた」と評価。後は「会食は感染リスクが高い。夜の打ち上げは気をつけて」とくぎを刺した。

 ルールを守らない人への苦言も。散歩中の男性(78)は「アーケードに座って見られんって書いちゅうに、早うから場所取りしちょった」とため息。「ルールが守られてないのはみっともない。『できてよかった』だけじゃいかんがやない?」と投げ掛けた。

 「『コロナ下でなぜやる』って声は聞く。反対があって当たり前だし、丁寧に説明するのが大事だと思う」と語るのは京町会場の運営スタッフ。「今年は準備期間が短すぎたけど、来年はもっと良い方向にいってほしい」と話していた。(本紙取材班)

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