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2022.08.11 08:35

コロッケ店の絶品アユ 釣って、揚げて、売る!―魚信 はっぴぃ魚ッチ

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コロッケ屋さんに並ぶ天然アユのお総菜

コロッケ屋さんに並ぶ天然アユのお総菜

 「四万十川天然あゆの南蛮漬け」「ニンニク風味揚げ煮」―。

 月曜日の午後。魚の棚商店街(高知市)のコロッケ店「ひろっちゃん」に黄金色のアユが並んでいた。

四万十川で良型アユをどっさり釣った細川洋伸さん

四万十川で良型アユをどっさり釣った細川洋伸さん

 店主の細川洋伸さん(49)は四季を満喫する釣り師だ。冬は磯、春秋はアメゴにシーバス、夏はアユと、包丁を竿(さお)に持ち替えて、週末を魚にささげている。

 その釣果をお客さんに楽しんでもらおうと、今季から週前半限定でアユの総菜を本格的に売り出した。

 友釣りのフィールドは県内各地。妻の明子さん(49)は「帰ってくるならどこに行ってもかまん」とほほ笑み、値札に添える産地を「物部川」から「四万十川」へと掛け替えた。

 総菜は100グラム500円。1匹100グラム前後だから「おとりアユと同じ値段」。高知では「カツオに金は払うけど、アユはもらうもん」なんて声も聞くが、細川さんは「釣り師の矜持(きょうじ)としてアユの価値を上げたい…なんて言ったら笑われるかな。要はおいしく食べてもらいたい」。

 この日は、四万十町で掛けた23センチほどの良型を油に泳がせた。160度の低温で20分ほどじっくり。鍋で煮立てた揚げ煮の甘辛しょうゆだれは、ニンニクが利いている。匂いだけで飯が進みそうな液体に、熱々カリカリのアユが踊り込むのだからたまらない。

 南蛮漬けにはパプリカやズッキーニの細切りを彩り鮮やかに散らす。「洋食専門やから白ワイン酢やオリーブ油を使った『和洋食』な味付けです。もっといろんなメニューを開発したい」

 説明を聞きつつ、マスクでよだれを隠していた記者に細川さんが言った。

アユの揚げ煮が丸ごと載った絶品まかない丼

アユの揚げ煮が丸ごと載った絶品まかない丼

 「僕の好物のまかない、食べていく?」

 なんと、揚げ煮1匹を載っけた「アユ丼」。たれの染みた白飯にはアユの風味も溶け出し、はらわたを含め滋味満載の一品だ。ノンストップでかき込んで幸福感に浸っていると、女性客が店先で足を止めた。

 「2匹ちょうだい」

 「炊いたばっかりやき、ちょっと冷蔵庫で落ち着かせてね」と細川夫妻。女性はコロッケ店でアユだけを買い、軽やかに去った。

 アユ躍る高知―。でも、釣らない人、料理しない人は意外と食べる機会が少ないもの。そんなあなた、次の月、火曜日あたりは、コロッケ屋さんで季節の魚を狙ってみては!?(本紙・ハチ)

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