2024年 04月20日(土)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2022.08.09 08:27

剣道・岡豊女子5位 強い絆で足跡【四国インターハイ】

SHARE

【女子団体準々決勝 岡豊―東海大札幌】大将戦、岡豊の岡部=奥=が面を奪い、一矢報いる(春野体育館=反田浩昭撮影)

【女子団体準々決勝 岡豊―東海大札幌】大将戦、岡豊の岡部=奥=が面を奪い、一矢報いる(春野体育館=反田浩昭撮影)

 面の下。岡豊の大将・岡部は泣いていた。「もうこのメンバーで試合を戦うことはないと思ったら…」。準々決勝で敗れ、中学3年の時、交わした約束の場所には立てなかった。「それでもみんな力は出し切れた。全力で戦えた」。県勢女子で23年ぶりの8強。スペシャルチームにふさわしい足跡は残した。

 3年前の冬。岡部らは岡豊の練習に参加した。「その日です。地元インハイの表彰台に立とうと約束したのは」。別々の中学校に通っていた岡部、横山、田所、小松、近藤。1年後、尾原、井上が加わり、チームは結成された。

 約束の表彰台を懸けた準々決勝。大将戦を待たず、勝負は決した。それでも岡部は攻めた。「完封負けはしたくなくて。岡豊の集大成を見せたかった」。1本勝ちを果たしたのはチームを背負うエースの意地だった。

 試合中クールな岡部を「すごく甘えたがり」と田所が評する。その田所は会心の駄じゃれを考えてはみんなに披露。学校では小松が隣の教室に聞こえるぐらいの豪快な声で笑い、オフの日、みんなでショッピングモールに出掛けた時、横山は突然1人で隠れんぼを始める。道場では井上が先輩の助言を熱心に実践し、尾原は美声を響かせる。横山が「部の中で一番優しい」という近藤がそんな仲間を包み込むように温かく見守るのだ。

 7人は剣の道で出会い、約束の場所を目指して、しなやかで強靱(きょうじん)な絆を紡いだ。県勢女子初の全国選抜3位、岡豊として31年ぶりの県体優勝という快挙はその果てにあった。

 駆け抜けた2年半を振り返り、岡部は言った。「一番大きな思い出は選抜の3位ですが、一番楽しかったのはいつもの日々。仲間と過ごす毎日でした」(井上真一)

高知のニュース 高知のスポーツ 四国インハイ

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月