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2022.08.07 08:48

山あいに人気タルト店  果物山盛り〝秒〟で完売―ちいきのおと(82) 土佐山(高知市)

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色とりどりのタルトを仕込む江里口さん夫妻(写真はいずれも高知市土佐山)

色とりどりのタルトを仕込む江里口さん夫妻(写真はいずれも高知市土佐山)

 鏡川のせせらぎと緑のにおいに心洗われる高知市土佐山地域。のどかな山あいに、夫婦が営む小さなお店「タルトデトルタ」がある。おいしいフルーツ山盛りのタルトは、予約受け付けが始まると〝秒〟で売り切れる人気ぶり。果たしてどんなタルトなのか―。

 ※ネット限定記事「予約のこつ」はページ中ほどから!


 夫婦は、ともに41歳の江里口誠さん、彩子さん=高知市一ツ橋町1丁目。高知市内の洋菓子店で一緒に働いていたのが縁で、2006年に結婚した。それを機に誠さんは製造業に転職、彩子さんは主婦となり、製菓から遠ざかっていた。
 
 2人の子どもが手を離れてきた18年夏。彩子さんが、土佐山地域で開かれていた製菓学校でタルト作りを習った際、現店舗の大家と知り合い、出店の打診があった。
 
 「いつか店を開きたいね」。結婚前からそう語り合っていた2人は「タルトなら楽しく作れるし、週1度ぐらいなら」と快諾した。同年9月、高川川沿いの県道横に夢のお店をオープンさせた。
 
イチジクなど県産果物も使ったタルト

イチジクなど県産果物も使ったタルト

 さて、タルトのお味は―。
 
 生クリームとカスタードの層の上に、ブドウや桃など盛りだくさんのフルーツ。生地の外側はサクッ、内側はしっとり。フルーツの酸味と甘み、生地の甘い風味がふわっと広がる。
 
 バターやアーモンドパウダーをふんだんに使った生地は彩子さんが焼く。山盛りにこだわったフルーツの盛り付け係も担当し、「土台が甘いから、たっぷり載せることでフルーツの酸味とバランスが取れるんですよ。彩りを考えながら盛り付けるのが楽しい」。
 
 誠さんは大学生時代に量販店の青果コーナーでアルバイトしていたこともあり、フルーツの仕入れやメニューの考案を担当。営業日前日は、大型直販所「とさのさと」(高知市)に開店前から並び、品種や鮮度を品定めする。
 
 「高値の果物でも、『おいしいタルトができるなら』って、つい買ってしまう。高価なブドウやチェリーを使った時はさすがに赤字でした」と苦笑い。小夏やマンゴー、ブルーベリーなど地元産の旬の果物も取り入れる。
 
 タルトは毎回、6種類ほどを用意する。カットタルトなら1個400~600円台。常連客の女性(43)は「生地もフルーツも最高。2年半前に食べて以来、とりこ」。数時間かけて車で来る県外客も珍しくない。
 
緑に囲まれた店舗

緑に囲まれた店舗

 ただ、誠さんに本業があるため、営業日は週末、月に数日と限定される。営業日前日にインスタグラム(写真共有アプリ)で注文の予約を受け付け始めると、瞬く間に売り切れる状態が続いている。
 
 「特に地元の人に味わってもらえてないのが心苦しい」と2人。そこで年度内に現店舗近くにカフェを新築する計画を練っている。
 
  地域の人がくつろげる場所に―。そう思い描く誠さんが言う。
 
 「森に囲まれ、川のせせらぎを聞きながら味わってもらいたい。当初は街の古民家でカフェをしたかったけど、今はこの場所以外考えられないですね」

   ◆

 タルトデトルタは月末に翌月の営業日を店のインスタグラムで告知。8月販売のホールタルトとカフェの予約は既に完売。カットタルトは営業日前日の19、27日にインスタから予約できる。(報道部・安岡仁司)




■【ネット限定】人気のタルト 予約のこつは?


 高知市土佐山の「タルトデトルタ」は、インスタグラムのフォロワーが約9600人いる人気店。購入はインスタグラムからの予約が必須で、人気メニューは〝秒〟で売り切れます。そこで、高知新聞Plus読者の皆さんに予約のこつを解説します。
【タルトデトルタのホームページはこちら】
※公開日(8月7日)のタルトは全て完売しています

※8月分のホールタルトと店内飲食予約も完売しています

■インスタグラムの「DM」で予約します

 予約のチャンスは3種類あります。

・ホールタルトの予約
・店内飲食の予約(1時間1組限定) 
・カットタルトの予約

落ち着いた雰囲気の店内

落ち着いた雰囲気の店内

 ホールタルトと店内飲食の予約日は、月の変わり目のころです。お店がインスタグラム上に営業日を記したカレンダーを投稿するので、このタイミングを逃さず、希望日や氏名を記したダイレクトメッセージ(DM)を送ります。先着順で予約が完了します。

 いつカレンダーの投稿があるかは決まっていませんが、前日に予告がありますので、見逃さないことがポイント。DMの書き方は、過去の投稿に「①タルトの受取日、②タルトの種類、③タルトのサイズ…」など説明があります。

 カットタルトの予約日は、営業日の前日です。正午前後にタルトのメニューが投稿されます。同様にタイミングを逃さず、タルトの名前などを記したDMを送ります。先着順で予約が完了します。

■予約のこつ
 
 予約は先着順です。DMを送るタイミングを逃してしまうと売り切れてしまいます。予約のこつを二つお伝えします。

①事前に文章を作っておくこと
②送り直さないこと

 事前に文章を作っておくことは最も重要です。DMの書き方の指定は変わらないので、前回の予約を受け付けた日の投稿をチェックし、説明に従った文章をDMの入力欄に作っておきます。

 「送信ボタンを押すだけ」の状態に近ければ近いほど、早く送ることができます。メニューを「お任せで○個」などの書き方にしておくという奥の手もあります。

 DMを送り直さないことも大事です。1回早いタイミングで送ることができていても、「やっぱり変更で」などと送り直してしまうと、うまく予約が完了できなくなる場合があります。

その時期に最適な果物を選ぶため、メニューは毎回違います

その時期に最適な果物を選ぶため、メニューは毎回違います

 現在の予約方法はインスタグラムのDMのみ。メニューも、その日に最適な果物を営業前日に見極めるため、早く確定させることは難しいそうです。

 店を切り盛りする江里口彩子さんは「夫婦で回す店のため、仕込みなどで電話を取ることができません。もっと良い予約方法がないか検討はしていますが、今はどうかご理解を」としています。

■次回チャンスは8月20日のカットタルト

 次回のチャンスは20日のカットタルト。19日正午前後にメニューが投稿されます。入念に準備してゲットを狙いましょう。
 
 ホールタルトと店内飲食を狙う人は、9月が近くなってきたら、チェックの始めどき。営業日カレンダー投稿日の予告がないかどうか、インスタグラムの確認をお忘れなく。

 インスタグラムで予約を取るお菓子屋さんは4年ほど前から増えています。今回紹介したこつは、別のお店の予約に応用することも可能です。読者の皆さんが高知のおいしいお菓子をたくさん楽しめますように! (竹内悠理菜)


《ちょっとチャット》
石元堅太さん(12)土佐山学舎7年
 自然豊かな土佐山で学びたくて、旧高知市から親と引っ越してきました。夏は毎週のように鏡川上流で泳いでいます。学校では地元の文化などを学ぶ「土佐山学」の授業が一番好き。今年は皿鉢料理を学んでいて、ユズなど土佐山の食材を使ったメニューを考えています。土佐山の魅力を広めていきたいです。




 土佐山の後に小字がない「土佐山」は、旧土佐山村の中心地。鏡川やその支流、重倉川が流れ、高知市土佐山庁舎や運動広場、図書室、直販所がある。夏に運動広場で夏祭り、秋に庁舎周辺で文化祭が開かれる。7月1日現在、61世帯135人。

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