2022.07.06 08:29
【動画】高知県中西部 豪雨被害 台風4号影響 未明に線状降水帯
土砂崩れが起きた国道56号(5日午前8時15分ごろ、中土佐町久礼)
高知地方気象台によると、線状降水帯は5日午前0時半~2時ごろ、須崎市と中土佐町、四万十町にまたがって発生。須崎市では3時間雨量208ミリ、12時間雨量353・5ミリとなり、観測史上最大を記録した。四万十町窪川では降り始めからの雨量が592ミリとなり、平年7月の1カ月(377・9ミリ)を超えた。
陥没で全面通行止めになった国道56号(5日午前7時、中土佐町久礼)
同町上ノ加江では笹場川が昨年9月に続いて氾濫し、住民らが敷地に流れ込んだ土砂や草の掃除に追われた。ガソリンスタンド従業員は泥かきをしながら「連年の被害。やってられない…」と疲れた表情だった。
四万十町仁井田地区でも水路から濁流があふれ、消防団員が土のうを積むなど対応に追われた。玄関が浸水した女性(75)は「家の中まで雨と濁流のゴーという音が響いて怖かった。道に水が流れていて、避難も頭に浮かばなかった」と話した。
5日は公立小中高校99校と県立特別支援学校12校が休校した。JRと土佐くろしお鉄道は6日、予土線の窪川―江川崎間が始発から2本が運休するほかはおおむね通常通り運行する予定。
「顕著な大雨に関する気象情報」は気象庁が昨年6月から運用していた。一方、今年6月から、線状降水帯が発生する可能性が高まった際に出すとしていた予報は事前には出されなかった。
台風4号は5日午前9時、九州で温帯低気圧に変わった。高知地方気象台は6日午後6時までの24時間雨量を60ミリと予想。土砂災害への注意を呼び掛けている。(本紙取材班)