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2022.06.25 08:35

DMV運行開始半年、高知県への効果は限定的...住民「振興策遅い」徳島は積極PR

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海の駅東洋町を出発するDMV。平日のこの便は乗降客もなく、静かに走り去った(東洋町白浜)

海の駅東洋町を出発するDMV。平日のこの便は乗降客もなく、静かに走り去った(東洋町白浜)

 阿佐海岸鉄道のDMV(デュアル・モード・ビークル)は25日、営業運行開始から半年を迎えた。乗客数は鉄道運行時の年間平均に迫る一方、高知県内での経済波及効果は限定的。ようやく観光振興に向けた具体策の検討に入る段階で、沿線住民らからは「遅すぎる」との苦言も聞こえてくる。

 DMVを担当する徳島県次世代交通課によると、昨年12月25日の運行開始から5月末までの乗客は2万231人。鉄道時代の年平均約2万3600人(2018、19年度)に半年で到達する勢いだ。

 この間に販売した定期券は1件のみで、観光やレジャーでの利用が大半を占める。年間目標7万5千人の達成は見通せないものの、同課は「新型コロナウイルスの影響で冬に団体予約のキャンセルが相次いだ状況も踏まえれば、悪い数字ではない」とする。

 ただ、沿線の安芸郡東洋町や、土日祝日に1往復運行される室戸市の施設では、DMVによる波及効果はそれほど聞こえてこない。

 東洋町白浜の海の駅東洋町。昨年12月~今年5月のレジ通過者は前年同期比約1・2倍、1万人ほど増加したが、スタッフは「人が降りるのは土日だけ。平日はさっぱり」。阿佐鉄の運転士も「平日と土日祝日の客数は、体感的には5倍近く違う」と話す。

 一方、始発・終着地の阿波海南文化村(徳島県海陽町)はムードが異なる。敷地内にある町立博物館の入館者は2倍、町外客は約4倍に急増。スタッフは「団体客が増えた」と声を弾ませる。

 徳島では運行開始前から、県や自治体が積極的に観光業者や旅行代理店にPRを展開。その成果もあって、DMV乗車とマリンレジャー、周辺観光などを組み合わせたツアーが多く催され、今も続々と売り出されている。

 対照的に、具体的な動きがほとんどなかった本県。東洋町と県は7月、アイデアを練る協議にようやく入る予定だ。土日祝日のみ運行される室戸市も「東洋町や海陽町と連携を強めて観光施策を出さなければいけない」との姿勢は示している。

 ただ、沿線が最も活気づく夏の観光シーズンは目前。沿線住民からは「考える時間はたっぷりあったのに、動きが鈍すぎる」と冷ややかな声が上がる。

 県観光政策課は「スピード感を持って取り組む必要がある。室戸市や東洋町、県東部観光協議会と連携し、DMVを生かした観光振興を進めたい」としている。(板垣篤志)

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