2022.06.22 08:34
深山に厳かな太鼓の音...落人伝説残る仁淀川町椿山、住民・出身者ら奉納
山深い椿山地区で披露された太鼓踊り(仁淀川町椿山)
愛媛県境にある同地区には、平家の落人が集落を築いたという伝承が残り、武将らの霊を慰めるために太鼓踊りが始まったとされる。毎年6月20日の虫送りの日やお盆など計4回奉納される。
昨年は新型コロナウイルス感染防止のため、地区関係者5人のみで奉納したが、今年は町役場職員らも加わり踊り手は8人に。饅頭笠(まんじゅうがさ)をかぶり、直径約65センチの太鼓を抱えてたたきながら、「いざーおーどろー。なーんまいだー」などと歌いたき火の周りを回った。
虫送りでは踊り手らが太鼓や鉦(かね)、刀を模した2本の木札を打ち鳴らしながら集落を練り歩いた。椿山の住民で太鼓踊り保存会の会長、中内健一さん(63)は「今年はにぎやかにやれてよかった。子や孫の代まで踊りを続けていきたい」と話していた。(楠瀬健太)