2022.06.21 08:35
室戸のゲストハウスが奮闘中! 開業直後のコロナ禍受け、加工品製造・憩いの場づくりも
地元への感謝を込めて設けたベンチで、ランチを楽しむ住民と語らう河合英治さん(左)=室戸市室戸岬町
ゲストハウスは、東京都大田区から移住した河合英治さん(49)=徳島県美馬市出身=が古民家を改築し、20年2月に開業。室戸の海や空海をモチーフにした客室、地元食材にこだわった料理に力を入れた。
ところがオープン直後、コロナ禍が直撃。Go Toトラベル時などを除けば稼働率が10%を下回るなど、たちまち苦境に陥った。
「このままでは生き残れない。何かしなければ」。河合さんは、宿でこだわっていた食に活路を求め、市内の産品で加工品作りに着手。21年8月、西山金時や小夏、レモンなど季節のかんきつを使ったパウンドケーキを発売した。
地元産品を用いて開発したパウンドケーキやコンフィ
室戸の魅力を市外にアピールする商品だったが、市内の購入客も多いそうで、「気にかけてくれていると感じる。地元のためにとの気持ちが、さらに強まった」と河合さん。
感謝を胸に4月、ゲストハウスの庭にベンチを置き、公園のように住民が集える場を整備した。5月からは日曜日限定(午前11時~午後3時)で、地元のシイタケなどを使ったロコモコや旬の魚のステーキなどのランチを、テイクアウト形式で売り始めた。
苦しんだこの2年だが「今までにない発想をしたり、地元を見つめ直したりするいいきっかけにもなった」と河合さん。今後も新商品を出す予定といい「室戸を熱く盛り上げて、観光業や飲食業に勇気を与えたい」と張り切っている。(板垣篤志)
高知市で試食会
スカイ アンド シー・ムロトは25日と7月2日、高知市北御座の「アグリコレット」で、パウンドケーキやコンフィの試食会を行う。午前10時~午後4時。問い合わせは同ゲストハウス(0887・98・7017)へ。