2022.06.09 08:40
廃校水族館のバス停どっち? 連携不足で足並みそろわず 東部交通→施設乗り入れ DMV→従来の国道沿い 高知県室戸市
むろと廃校水族館の敷地内に乗り入れる東部交通のバス
同水族館へは、国道55号沿いのバス停「むろと廃校水族館前」から約100メートル歩く必要があった。歩道が狭く、横断歩道のない道を横切る人が多いなど、危険性が指摘されていた。
市は利便性向上にもつながるとして、昨年8月に同水族館内へのバス乗り入れ方針を決定。市や東部交通が試走や国土交通省への申請、敷地整備を行い、今月1日にバス停を新設した。地元住民の混乱を避けるため、国道沿いのバス停も残して運用している。
手続きの遅れで乗り入れできず国道沿いに停車するDMV(写真はいずれも室戸市室戸岬町)
完全に〝乗り遅れた〟格好となったことについて、「3月に阿佐鉄から(バス停新設の)話を聞いて以降、連絡がなかった」と同県次世代交通課。「東部交通が乗り入れを始めることを知ったのは5月末。同時に移すつもりだったのに…」と複雑そうに話す。
一方、「阿佐鉄には3月に、6月1日の運用開始予定と電話で伝えた」とする室戸市に対し、阿佐海岸鉄道は「5月末まで認知しておらず、前任の専務からも引き継いでいません」。連絡不行き届きが原因のようだが、関係団体が地域振興、観光PRで連携を深めていこうというタイミングでの停留所問題。ある住民は「普段から足並みがそろっているのかどうか」と厳しく指摘した。(板垣篤志)