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2022.05.31 08:37

足摺海洋館、感覚過敏に優しく フレンドリーデー 照明・音量調整し展示 高知県土佐清水市

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明暗の変化を緩やかにするため、ふだんはつけない天井照明を点灯した展示室(写真はいずれも土佐清水市の県立足摺海洋館)

明暗の変化を緩やかにするため、ふだんはつけない天井照明を点灯した展示室(写真はいずれも土佐清水市の県立足摺海洋館)

 光や大きな音に敏感な人に配慮した優しい展示を行う「フレンドリーデー」が29日、土佐清水市三崎の県立足摺海洋館「SATOUMI」で初めて開かれた。照明や音響を調整し、静かで落ち着いた環境を提供。当事者や家族からは「心強い」「他の施設にも広がってほしい」と期待の声が寄せられた。

 自閉スペクトラム症など発達障害の特性に配慮する「センサリーフレンドリー」と呼ばれる取り組み。音が大きく聞こえて不快に感じたり、目に入る情報量の多さに混乱したりする人のために、約10年前に欧米で始まった。国内でも映画館で取り入れられるなど、徐々に広まっている。

 フレンドリーデーは県障害福祉課主催で、高知大学医学部の高橋秀俊特任教授(52)や、共同研究を行う明治大学の学生らが協力した。演出の雷音や館内BGMを、聴覚過敏の人がうるさく感じるとされる65デシベル以下に調整。普段はつけない天井照明も点灯させ、明暗の変化を緩やかにした。

気持ちを落ち着かせる休憩スペース。吸音材を使い、外の音が聞こえにくいため安心するという

気持ちを落ち着かせる休憩スペース。吸音材を使い、外の音が聞こえにくいため安心するという

 館内2カ所には、気持ちを落ち着かせるために吸音材を使った1人用の休憩スペースも。来館者には展示場所ごとの明るさなどを注意書きしたマップを配布し、学生らもサポートスタッフとして見守った。

 同課によると、この日は感覚過敏などのある人や家族ら約10組が来館。自閉スペクトラム症の長男(18)らと訪れた森下由紀さん(49)=高知市=は「パニックになって迷惑をかけないか周囲に気を使うこともある。このような機会があれば安心して遊びに来られます」と笑顔だった。

 新野大館長(65)は「取り組みへの理解が広がり、あらゆる人が楽しめる施設になってほしい。2回目の開催も検討したい」と話していた。(小笠原舞香)

ココハレでは感覚特性について、高橋さんのインタビューを掲載しています

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