2024年 04月20日(土)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2022.05.29 08:39

「豊ノ島以上の力士育てる」笑顔で別れ 井筒親方が引退相撲 浜田雅功さん、東山紀之さんら参加

SHARE

髪を整えてスーツ姿になった井筒親方。左は妻の沙帆さん、右は長女の希歩さん (写真はいずれも東京・両国国技館=森本敦士撮影)

髪を整えてスーツ姿になった井筒親方。左は妻の沙帆さん、右は長女の希歩さん (写真はいずれも東京・両国国技館=森本敦士撮影)


 誰からも愛された人気力士にふさわしい、晴れやかな最後の舞台だった。28日に東京・両国国技館で行われた元関脇豊ノ島、井筒親方(38)=宿毛市出身=の引退相撲。無観客だった現役最後の場所とは違って多くの観客に囲まれ、井筒親方は笑顔で土俵を下りた。

 最後の勇姿を見届けるため、宿毛市から駆け付けた小学校と高校の同級生、西岡瞬さん(38)は「優しくて人付き合いがすごくいいところは、高校の時と変わっていない」。そんな人柄にも魅了された多くのファンが、国技館に詰めかけた。

元琴奨菊の秀ノ山親方=右=との「最後の一番」を取った井筒親方

元琴奨菊の秀ノ山親方=右=との「最後の一番」を取った井筒親方


 断髪前には、元大関琴奨菊の秀ノ山親方と「最後の一番」。引退時に「唯一悔いを挙げるならキクと対戦できなかったこと」と話した相手に、粘って粘って寄り倒しで逆転勝ちした。井筒親方は「花を持たせてもらえると思ったら、向こうはめちゃくちゃ勝ちにきていた。でもその気持ちがうれしい」とすっきりした表情を見せた。

 断髪式には、ダウンタウンの浜田雅功さんや今田耕司さん、俳優の東山紀之さんや田中圭さんら親交のある有名人も数多く参加。最初は緊張していた井筒親方の表情は、お世話になった人に声を掛けられ和らいでいった。

 終盤に父の梶原一臣さん(68)がはさみを入れると目元を指でぬぐい、入門時の師匠、内田勝男さん(84)が土俵に上がると、涙をこらえきれなかった。一臣さんも「はさみを入れるのが、こんなにつらいとは思わんかった。本当によう頑張ったと言いたい」と感極まった。

 県後援会の宮田速雄会長(72)は「体力的にも精神的にも粘り強い男。けがを克服してここまで来られたのは素晴らしい」とたたえ、東京後援会の竹内太一会長(68)は「けがの経験を親方の立場で生かしてほしい。技を教えるのも上手なので、期待している」とエールを送った。

 髪を整えて報道陣の前に登場した井筒親方は「時津風親方(元幕内土佐豊)がてっぺんを切りすぎて、思ってたのと違う髪形になった」と苦笑い。「多くの人に祝福されて幸せ者。これで力士として本当に終わった」とようやく区切りが付いた様子だった。

 最後は土俵上で「これからは豊ノ島以上の力士を育てたい」と次の目標を掲げた。笑顔で両手を振る姿に、温かな拍手がいつまでも送られた。(仙頭達也)

高知のニュース 宿毛市 高知のスポーツ

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月