2022.05.24 08:37
マスク着用緩和に慎重論根強く 「暑さ耐えられない」の声も 【なるほど!こうち取材班】
イラスト・松本康裕
20日の政府発表は、屋外で会話がほとんどない、または屋内で人と2メートル以上離れて会話がほぼない場合は不要―などの内容=表参照。感染対策としての基本的な位置付けは変えないが、「外してオーケー」の事例を明確にした。
アンケートには21、22日、なるこ取材班のLINEアカウントに友だち登録している175人が回答。マスクの使い方を「変える」と答えたのは51人だったのに対し、「変えない」が124人で約7割を占めた。
「変える」派で目立ったのは、息苦しさや煩わしさなどのデメリットが解消されると歓迎する声だ。
「これからの暑さに耐えられない」。吾川郡いの町の50代男性は、「マスクを着けないといけない空気が嫌でたまらない。早くマスクを着けなくていい社会になってほしい」と、コロナ前の社会を恋しがる。
南国市の40代女性は「ウオーキングが日課。助かります。ただ、知り合いに会うこともあるので常にマスク持参で歩きます」。高知市の50代女性はマスク着用について「子どもや障害のある方とのコミュニケーションの育ちの妨げになる」と指摘した。
一方、「変えない」派は基準緩和が感染拡大を助長するのではないか、と懸念する。
家族が病気療養中という高知市の40代男性は「感染者が多い状態で緩和する理由が見つからない。むしろ厳しくしてもらいたい」ときっぱり。
今回の発表が「マスク撤廃」と誤解されないか、と心配する声もある。高知市の50代女性は医療従事者で、「マスク着用が緩くなると、外来に来る患者さんの中には着用して来ない方が増えそう」と心配。「『すみませんが…』と(着用を)お願いするのがしんどい」と憂鬱(ゆううつ)そうだ。
長引くコロナ禍で、マスク着用がエチケットとして定着している影響もうかがえる。
「マスクを外している人が視界に入るだけで不安、不快」と書いたのは南国市の20代女性。「本当はやめたいけれど、着けているかいないかで人柄を判断するようになってしまったため、自分自身も外せない」と悩む。
感染対策以外のマスク効果を実感している人も。高知市の70代男性は「3年も連れ添ったら顔と同化した。顔そりは3日に1度になり、シェービングクリームも相当節約している」。女性からは「化粧がいらないので楽」との意見が相次いだ。
「大人は『外で会話が少なければ不要』など条件を理解できるが、子どもは難しい場面が多い」と指摘するのは香南市の30代女性。「体育などで苦しくても、マスクを外すと友達に指摘されることもあると、子どもも悩んでいる。誰もが理解できるよう、教える機会を与えてほしい」と求めた。
高知市の40代女性は「マスクは自分だけでなく、相手を守ることにもつながる。必要性を考えて臨機応変に対応するべきだ」として、こう付け加えた。
「学校の授業中などは外せると良いなと思います。給食をただひたすら(それぞれが)前を向いて食べる姿は、泣けます」(森田千尋、大野泰士)
▶なるほど!こうち取材班への情報提供はこちらから