2022.05.24 08:34
防衛省が高知県本山町に米軍機観測カメラや騒音測定器設置、県内で初めて
米軍機の低空飛行を観測するために設置されたカメラ(本山町北山丙の雁山展望台)
観測用カメラは今年3月、町中心部にほど近い雁山(がんざん)(標高434メートル)の展望台に設置。費用は275万円で4月に運用を始め、24時間自動録画している。同防衛局は2020年度以降、同町との協議や現地確認を行い、町から提案のあった雁山への設置を決めた。
同町の田岡学総務課長は「米軍機は雁山に向かう形で飛ぶことが多く、飛行高度を山の高さと比較して正確に把握できる」と意義を強調。米軍機の低空飛行中止を訴えている嶺北平和委員会の大西利恵事務局長(61)は「カメラがあれば米軍機を監視し、低空飛行の事実を伝えられる。子どもたちがおびえて寝られないほどひどい状況を知ってほしい」と話す。
町中心部に設置された騒音測定器(本山町本山の町保健福祉センター)
ただ、カメラの撮影データは同町や県とは共有されていない。同防衛局は「撮影された映像には米軍の運用に関する情報が含まれている場合があり、公にするとアメリカとの信頼関係や米軍の運用の安全を損なう恐れがある」と説明。同町は「撮影データは低空飛行の危険性を証明する動かぬ証拠。ぜひ提供してほしい」と訴えている。
2021年に同町が確認した米軍機とみられる機体の飛来回数は33回。1日に4回飛来した日が3日あった。(谷沢丈流)