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2022.05.14 08:36

世界の幻獣・霊獣ずらり 人魚、竜、巨人、てんぐ…仮面や絵画など250点 県立歴史民俗資料館「驚異と怪異」展6/26まで

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竜をモチーフにした多彩な装飾品や置物などが並ぶ(南国市の県立歴史民俗資料館)

竜をモチーフにした多彩な装飾品や置物などが並ぶ(南国市の県立歴史民俗資料館)

 人魚や竜、巨人など世界で創り出された不思議な生き物を紹介する特別展「驚異と怪異―世界の幻獣と霊獣たち」が、高知県南国市岡豊町の県立歴史民俗資料館で開かれている。生き物をモチーフに取り入れた衣装や仮面、彫像、絵画、書物など古今東西の約250点が並び、多様な習俗や精神文化を映し出している。6月26日まで。

 2019年に大阪府の国立民族学博物館で開かれ、好評を博した特別展「驚異と怪異―想像界の生きものたち」の一部巡回展。同館が所蔵する国内外の資料に、今回は高知などの資料を加えた。「水」「天」「地」コーナーなどで展示を構成し、「水」では人魚や竜、「天」ではてんぐや霊鳥、「地」では巨人や霊獣、怪獣などを取り上げている。

 人魚は上半身が女性のイメージが強いが、文化によって神や死霊などの象徴とされ、上が魚で下は人間だったり、両脚がナマズの形をしていたりとその描写は多彩。竜は、中国文化圏では角と爪を持つ長い蛇の姿が多いのに対し、欧州などでは羽のあるトカゲのように描かれている。

 各地で伝承される想像上の生き物は、実在する動物のパーツを組み合わせているなどの類似点がある。一方でその造形や色彩は、派手に誇張されていたり、逆に抽象化されていたりと地域色がありバラエティーに富む。

「バロンダンスの衣装(ランダ)」(国立民族学博物館蔵、大道雪代撮影)

「バロンダンスの衣装(ランダ)」(国立民族学博物館蔵、大道雪代撮影)

「人魚絵馬」(香美市の須賀神社蔵)

「人魚絵馬」(香美市の須賀神社蔵)

 伝統行事や祭礼で使われる道具も個性豊かで、インドネシアの舞踊「バロンダンス」に登場する魔女「ランダ」の衣装は迫力ある長い牙や爪が特徴。香美市の須賀神社の「人魚絵馬」や、香川県の金刀比羅宮の「人魚のミイラ」など珍しい奉納品も並んでいる。

 新型コロナウイルス禍で注目された妖怪「アマビエ」のルーツも紹介。開幕に合わせて来高した国立民族学博物館の山中由里子教授は「さまざまな文化圏で、人の目に見えない脅威や災害、コントロールできないことに形や名前を与えて何とか手なずけようとしたり、不安を緩和しようとしたりする中で幻獣・霊獣たちは生まれてきた」と背景を説明する。

 人々が創造した生き物は時代を経て、娯楽や観光資源など、新たな役割も担いながら暮らしに息づいてきたことが分かる。県立歴史民俗資料館の梅野光興学芸員は「人間の想像力の面白さ、豊かな感覚を感じてもらえれば」と話していた。

 ◇ 

 同館で22日午後2時から、山中教授による講演「幻獣・霊獣・怪獣 人はなぜモンスターを想像するのか?」が行われる。要予約で先着60人。申し込みは同館(088・862・2211)へ。

 また同展は、今年6~9月に高知市高須の県立美術館で開かれる企画展「佐藤健寿展 奇界/世界」と連携。両展の来場者に特製グッズを贈るスタンプラリーなどの企画を行っている。(徳澄裕子)

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