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2022.04.21 08:40

芝生に投網「何取れる?」 四万十川漁師ら「練習です」 アユ漁解禁へ技磨く 一般参加も歓迎中

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芝生広場で投網の練習に汗を流す川漁師 (写真はいずれも四万十市入田)

芝生広場で投網の練習に汗を流す川漁師 (写真はいずれも四万十市入田)


 晴れ渡る空の下、白い漁網の輪が広がり、輝く川面に…ではなく、青々とした芝生に落ちた。四万十市入田の渡川緑地。一体、何が取れるの? 「いやいや、何も取れません」と笑うのは四万十川中央漁協の川漁師たち。夏のアユ漁解禁を前に「投網練習会」で技を磨いているという。

 投げられていた網は先に重りが付いたナイロン製で、主に船を使う投網漁のもの。同漁協の堀岡喜久雄組合長によると、約300人の所属漁師のうち30人ほどが行っている。

 不安定な船首に立って網を投げ入れ、アユの群れを捕らえるには技術が必要だ。熟練者の投網は花火のように広がるが、経験が浅いとそうはいかない。かつては漁協が「投網道場」を開いて先輩から後輩へ技術を継承していたが、参加者が減り十数年前に途絶えたという。

 そんな中、3月から練習会を始めたのは、高知市出身で四万十市に移住した生川千晴さん(38)。2年ほど前から本格的に川漁師に仲間入りし、「1人で練習するのも寂しいから」と周囲の漁師に声を掛けた。

 週末に毎回5、6人が集まって思い思いに網を投げる。投網に興味を持つ一般の人が口コミで知って参加することもあり、生川さんらが投げ方を優しく教えている。

 時にはベテラン漁師の姿も。「投網歴半世紀」の植村純治さん(69)=同市入田=は「俺はただのサクラ」とおどけながら、見事な網の〝花火〟を披露した。30代の漁師らが「おんちゃんに負けたー」と悔しがると、植村さんは「(こつは)力だけじゃないで」とニヤリ。和気あいあいと時間が過ぎていく。

和気あいあいと談笑する漁師たち。練習会には一般の参加者も迎え入れている

和気あいあいと談笑する漁師たち。練習会には一般の参加者も迎え入れている

 生川さんは「目的は漁師の技術向上だけじゃない。一般の人にも楽しく投げてもらって、四万十川の投網漁に興味を持ってほしい」と飛び入りも歓迎している。

 練習会は6月まで、土曜か日曜の午後1時ごろから。またメンバーらは同緑地で4月23日午後1時から、県投網連盟の会員らと技を競うイベント「網なげっこ2022」を開く予定で、一般参加も受け付ける。雨天延期。練習会、イベントとも問い合わせは同漁協の山崎隼志さん(090・1174・8844)へ。(芝野祐輔)

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