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2022.04.19 08:42

土佐清水市貝ノ川に定置網10年ぶり今秋復活 宿毛市の水産会社参入「高品質な魚が揚がる」高知県の再興事業

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新たに定置網が設置される土佐清水市貝ノ川沖(佐藤邦昭撮影)

新たに定置網が設置される土佐清水市貝ノ川沖(佐藤邦昭撮影)

 土佐清水市の貝ノ川沖で10年前に停止された定置網漁が今秋にも復活する。水産加工会社「与力水産」(宿毛市)が漁業に参入し、漁獲は土佐清水市に水揚げする方針。高知県が進める定置網漁の再興事業では、今年3月の高岡郡四万十町興津に次いで2件目。

 貝ノ川沖では地元組合が1955年から定置網漁を営み、ピーク時の80年代は漁獲高が年間1億円超あった。しかし組合員の高齢化や水揚げ減により、2012年6月で漁を停止。組合も解散していた。

 県は18年度に漁場の活用と水揚げ増を目指して、高岡郡中土佐町の上ノ加江と矢井賀、四万十町興津で海底調査を実施。19年度から貝ノ川沖を加えた4カ所で新規事業者を募集し、興津では地元業者が今年3月に再開している。

 与力水産は08年に設立。宿毛湾を中心に育った天然魚、養殖魚を切り身に加工し、全国の飲食店などに出荷している。土佐清水市の魚市場の競りにも参加してきたという。

 吉村典彦社長(52)は「シマアジやイシダイ、ハタ類など、高品質な魚が揚がっており一念発起した」。定置網漁で揚がった魚は、自社でそのまま加工はせず、土佐清水市に水揚げして相場安定化に寄与したいという。

 総事業費は約1億5千万円。6千万円は国の補助金を活用する。同市貝ノ川に作業場を設け、10月の操業開始を目指す。網に入った魚種を自動識別する探知機を導入するなど、デジタル技術も活用する。

 吉村社長は「漁師としては素人集団で、丘の上で考えたことを実践する。情報をオープンに発信し、海で生きる人全員が潤い、漁村経済を守る仕組みをつくりたい」と意欲を燃やしている。

 船上で作業する正社員を若干名募集している。問い合わせは同社(0880・67・1122)へ。(新妻亮太)

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