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2022.04.01 08:40

早明浦ダムすぐ下、桜の名所が見納めに…ダム改築で伐採へ 住民惜しむ 高知県土佐町

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早明浦ダム近くで見頃を迎えた桜並木。今春を最後に伐採、撤去される(土佐町田井)

早明浦ダム近くで見頃を迎えた桜並木。今春を最後に伐採、撤去される(土佐町田井)


 早明浦ダム直下の吉野川沿いにあり、嶺北地域有数の花見の名所として知られる土佐郡土佐町田井の桜並木が、今春で見納めとなる。2022年度から同ダムの改築事業を本格化する独立行政法人「水資源機構」が、工事車両の安全確保などのため伐採を決めた。

 桜並木はダム堤体を間近に望む吉野川沿いの約200メートルにわたり、道の両側に約40本のソメイヨシノが植わっている。例年、花の季節には住民がぼんぼりをともし、町内外から大勢の花見客やカメラマンが訪れている。

 元々は民家が立ち並ぶ区域だったが、1976年の台風時に同ダムの大規模放流で浸水被害を受けるなどし、住民が移転。同機構(旧水資源開発公団)が土地を買い取り、79年に桜の植樹など緑化事業を行った。

 ダム改築は、放流設備を増設するなどし治水機能の向上を図るもので、2028年度の完了を目指し22年度から基礎工事を本格化する。桜並木周辺は工事車両の通行ルートで、伐採により安全な道幅や資材置き場を確保する。

 同機構は昨年、地元地区の住民総会でこうした事情を説明。同機構の早明浦ダム再生事業推進室は「事業の終了時期が近づいたら、住民らと相談し桜の再植樹などを検討したい」としている。

 近くに住む男性(54)は「ダムの治水機能は住民にとって重要。でも、憩いの場でもあった桜の木が見られないのはさみしいね」と惜しんでいた。(谷沢丈流)

4/3に桜まつり
 桜並木が撤去されるのを受け、地元住民らは3日、見納めのイベント「さめうらダム桜まつり」を開く。嶺北地域の飲食店などが焼菓子やから揚げ、炊き込みご飯などを販売。住民らの音楽ステージもある。午前10時~午後3時。荒天中止。

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