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2022.03.28 08:35

レトロな憩いの場・旧西石原郵便局(土佐町)レコード100枚以上、ラジオ収録も―フォっトけないす

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レトロな雰囲気の旧郵便局舎内。往時のままという木のカウンターが目を引く(写真はいずれも土佐町西石原)

レトロな雰囲気の旧郵便局舎内。往時のままという木のカウンターが目を引く(写真はいずれも土佐町西石原)


年季の入った大型金庫と「サイモン&ガーファンクル」のガーファンクルのポスター

年季の入った大型金庫と「サイモン&ガーファンクル」のガーファンクルのポスター

 土佐郡土佐町の西石原地区。約140人が暮らす集落の中心部に、古風な門構えの建物が立っている。中をのぞくと、板張りの床に年季の入ったいす、重厚な金庫…。昭和の隠れ家のような雰囲気が漂う空間は、実は旧郵便局舎。今は住民らの憩いの場になりつつある。

 金庫の上にはレコードプレーヤー。そばには洋楽にポップス、三味線などなど100枚以上の音盤がある。壁に掛けられた1960~70年代の人気デュオ「サイモン&ガーファンクル」のポスターも存在感抜群。中高年には懐かしく、若者には新鮮な空間が広がる。

 「近所のおんちゃんらが『レトロな雰囲気やし、レコード聞けたらいいよね』といろいろ持って来てくれて。気付いたらこんな感じになってました」。そう笑うのは、前田和貴さん(46)。高知市から石原地区に移住した元町地域おこし協力隊員で、2020年末に旧局舎を〝再オープン〟させた。

インターネットラジオを収録する前田和貴さん=右=ら

インターネットラジオを収録する前田和貴さん=右=ら


建物外観。古風な入り口に郵便局の名残が感じられる

建物外観。古風な入り口に郵便局の名残が感じられる


住民らが持ち寄ったレコード

住民らが持ち寄ったレコード

 建物は1938(昭和13)年築の木造2階建て。その昔は特定郵便局として住民らに親しまれたが、86年に現在の西石原郵便局ができてからは地元所有者の物置になっていた。

 取り壊されると聞いた前田さんが、地区のため何かに活用できないかと譲り受けた。「書類の山に、スーツケースやマージャン用具なんかもあって…」。建物内の整理には1カ月ほどかかったそうだ。

 建物は現在、前田さんらが日々の出来事や土佐町の魅力などを話すインターネットラジオ「ぼっちりラヂオ」の収録場所として使われている。新型コロナウイルス下、宴会場の機能はおあずけだとか。それでも時折、住民や活性化に協力する高知大生らが語り合う場にもなっている。

 前田さんは「今後はカフェやバーを開いたり、2階の和室を宿泊所として利用できるようにしていきたい」とも。手紙を通じて人と人をつないだかつての郵便局で、再び交流の輪が生まれようとしている。(嶺北支局・谷沢丈流)

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