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2022.03.19 08:38

【動画】キンメダイを神経締め!?ふるさと納税返礼品にも 高知県室戸市の漁師が試み、販売

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「スピードが鮮度の鍵」。キンメダイを手早く神経締めする佐藤勇さん(室戸市吉良川町甲)

「スピードが鮮度の鍵」。キンメダイを手早く神経締めする佐藤勇さん(室戸市吉良川町甲)

 室戸市の漁師、佐藤勇さん(55)=吉良川町甲=が、県内では唯一のキンメダイの神経締めに取り組んでいる。一般的なキンメダイよりも鮮度が高く保たれ、おいしさもアップ。市のふるさと納税返礼品にも選定され、新たな室戸のブランド魚として期待されている。

 東京でサラリーマン生活を送っていた釣り好きの佐藤さん。移住フェアで紹介された室戸のキンメダイ漁に引かれて7年前に移住し、2年間の研修を経てキンメダイ漁師になった。

 地元漁師らによると、キンメダイは釣り上げた直後に氷で締めるのが一般的。佐藤さんも同様のやり方で出荷してきたが、「他県と比べて秀でた強みがない」と考え、手間や時間を要すためキンメダイ漁では敬遠されていた神経締めを昨年12月から試みている。

ぴちぴちと暴れるキンメダイ。生きたまま加工場に運搬する(室戸市の室津港)

ぴちぴちと暴れるキンメダイ。生きたまま加工場に運搬する(室戸市の室津港)

 「死後硬直を限界まで遅らせることで、鮮度は格段に良くなる。ぎりぎりまで生かし、すぐ締めるのが鍵」と佐藤さん。釣るとすぐ水温11~13度に保ったいけすに入れ、生かしたまま自宅の加工場まで運搬。約5分間で血抜き、神経締め、内臓処理を手早く済ませ、真空パックに詰める。一般的なキンメダイより身が柔らかく、赤の色味も鮮やかだ。

 試食した地元すし職人の久保幸雄さん(76)は「身がふっくらして甘みも増している。格段にうまい」と太鼓判。市のふるさと納税返礼品に提供しているほか、今年1月からは「八金目(はちきんめ)」との商品名でネット通販も行っている。

 注文が入る度に漁に出る佐藤さんだが、漁がない時にも対応できるよう、4月からは冷凍販売にも着手。「いずれは飲食店にも扱ってもらい、新たな室戸ブランドのキンメダイとして認知度を高めたい」と張り切っている。

 八金目は、「勇榮(ゆうえい)合同会社」ホームページで5千円から購入可能。問い合わせは同社(0887・98・7945)へ。(板垣篤志)

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