2022.03.17 08:35
好きな道で生きるため 高知県黒潮町の画家、切道さん―やいろ鳥
「幡多に来てから、明るい色の絵が増えた」と話す切道優太郎さん(黒潮町上川口の自宅)
「生まれた時から絵が好き」という切道さん。大学卒業後、国内はもとより、アラブ首長国連邦のドバイなどでも、絵を売って暮らしてきた。
2020年には長野県に滞在。山を描いて冬を越した後、今度は「南で、海があって、自分にとって未踏の場所へ行きたい」と、車で1カ月ほど放浪。昨年6月、知人の紹介で空き家を借りられた黒潮町上川口に落ち着いた。
「何でも使うし、何にでも描きますよ」と笑うように、キャンバスは布、流木、ギターケース…。アクリル、水彩、油、木炭などさまざまな画材で描き込む。手掛けるジャンルも抽象画に人物画、風景画と幅広い。
同町に来てからは、借家から眺める太平洋や、身近な海の生き物を描いた「パラダイスみたいな、明るい色」の作品が増えたという。1日1点は仕上げ、10時間ほど創作に没頭する日もある。
事務所の壁を「自由にやっていいよ」と任されたり、パン屋から譲ってもらった木箱に描いたり。「チャンスをくれるおおらかな方が多い。表現の場が幾つもあって暮らしやすい」と声を弾ませる。
インスタグラム(The Art Road Kiri)でも作品を公開。借家の中には描きためた作品が千点くらいあるそうで、「ここには長くいたい。これからもっと増やすつもり」と気持ちよく笑った。(幡多支社・河本真澄)