2022.03.02 08:38
さよなら「県庁おもてなし課」 2007年度発足、高知県の機構改革で今春統廃合 錦戸亮さん、堀北真希さん主演映画のモデルに
県議会棟の渡り廊下につくられた映画「県庁おもてなし課」のロケセット。観光客も大勢立ち寄った(2013年4月)
おもてなし課は、観光客の満足度を高めようと橋本県政時代の2007年度に発足。気配りが行き届いた「おもてなしトイレ」、細やかな心遣いや観光情報を提供する「おもてなしタクシー」など、「おもてなし」をキーワードに県内の施設の美化や接客マナー向上などを図ってきた。
高知に縁がある著名人らに、専用の名刺で高知をPRしてもらう「県観光特使」制度にも取り組んだ。高知市出身の作家、有川浩さんがその観光特使になったことを機に執筆した小説が、観光振興に奔走する若手職員らを描いた「県庁おもてなし課」。09~10年に本紙などで連載された。
日曜市で映画をPRする堀北真希さん、錦戸亮さん、船越英一郎さん(2013年3月)
現在、県観光振興部はおもてなし課を含めて4課態勢。山脇深部長によると、組織の見直しに当たって「多岐にわたるおもてなし課の業務を各課に割り振って、観光資源の磨き上げやプロモーションと一緒に取り組む方がベターと判断した」という。観光ガイド育成や景観整備は地域観光課が、クルーズ船対応や外国人受け入れ環境の整備は国際観光課が受け持つ。観光政策課には「おもてなし室」を設け、観光特使やおもてなしトイレの制度などを引き継ぐ。
「寂しくないと言ったらうそになりますが…」とは、最後の「おもてなし課長」となった浅野尊子さん。「高知といえば『おもてなし』とのイメージ定着につなげることができたと思う。なくなっても、さらにおもてなしを進化させていきたい」と話している。(大山泰志)