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2022.02.26 08:31

古代穀物庫「正倉」高知県内初の断定 南国市・若宮ノ東遺跡で計8棟

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若宮ノ東遺跡で新たに見つかった総柱建物跡。郡衙の正倉と確認された(南国市篠原)

若宮ノ東遺跡で新たに見つかった総柱建物跡。郡衙の正倉と確認された(南国市篠原)

 南国市教育委員会は25日、同市篠原の若宮ノ東遺跡で新たに奈良―平安初期のものとみられる郡衙(ぐんが)(郡役所)の総柱(そうばしら)建物(高床式倉庫)跡4棟が見つかったと発表した。過去に出た4棟と規格や年代が同じで建物群の規模が拡大したことなどから、市教委は8棟が租税の穀物を納めた「正倉(しょうそう)」だったと断定した。郡衙の正倉確認は県内初。

 遺跡は市役所の西方約500メートルに位置。都市計画道路の整備に伴い、市教委と県埋蔵文化財センターが発掘調査を行っている。2016~18年度に南北に規則正しく並んだ3棟の総柱建物跡が発見され、正倉ではないかと推測されていた。また20年度には25メートルほど北にさらに1棟が見つかっていた。

 新たな4棟は20年度発見の1棟と柱筋をそろえ、5棟がL字形に配置されている。縦8メートル前後、横6メートル前後の長方形で直径1・2~1・5メートルの柱穴が20あり、過去の建物跡とも共通している。また建物群の西側には正倉と外部との境を示す南北約100メートルの溝状遺構も見つかった。

 市教委は「50平方メートル前後の倉庫は一般集落ではあり得ず、規則的な構造は県外の役所跡とも一致する。本所か支所かは不明だが、律令(りつりょう)制で定められた租(穀物)を納めた郡衙の正倉と分かる」と説明。「香長平野での律令制の浸透具合を垣間見られる重要な発見」としている。

 今回の調査では他に弥生後期―古墳時代初頭とみられる竪穴建物跡6棟が見つかり、土器棺や鉄鎌、土玉なども出土。鎌倉末期―江戸期の土坑墓計8基も確認したという。

 市教委は27日午前10時半から、一般向けの現地説明会を予定している(雨天中止)。(横田宰成)

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