2022.02.21 08:38
平和願い「嘉代子桜」植樹 長崎被爆の犠牲者悼む 高知県日高村
平和への願いを込めた嘉代子桜の植樹(日高村総合運動公園)
長崎原爆は1945年8月9日に投下された。爆心地から約500メートル離れた城山国民学校(現在の長崎市立城山小学校)に学徒動員されていた林嘉代子さん(当時15歳)は、そこで被爆死した。
戦後の49年、嘉代子さんの母、津恵さんが娘をしのび同校の校庭にソメイヨシノの苗木50本を植え、嘉代子桜と呼ばれるようになった。現在はそのうち6本が残るが老化してきており、地元関係者が接ぎ木した苗木を全国に送る活動をしている。
日高村は日本非核宣言自治体協議会(事務局=長崎市)に加盟しており、同会の呼び掛けで植樹を決めた。この日は、運動公園近くの日下川調整池の整備を担うNPO法人「グラウンドワークひだかむら」のメンバーらが作業。公園内の野球場東側に1・7メートルほどの苗木を丁寧に植え、嘉代子桜の由来を伝える看板も設置した。
同NPOの中野益隆理事長(78)は「美しい花を見て、平和のありがたさを感じてほしい」と話していた。(楠瀬健太)