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2022.02.12 08:25

蓮池の太刀踊り後世に 高知県土佐市―やいろ鳥

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「太刀踊りは自分たちの氏神様の大切な踊り」と話す浜田祐宏さん(土佐市の西宮八幡宮)

「太刀踊りは自分たちの氏神様の大切な踊り」と話す浜田祐宏さん(土佐市の西宮八幡宮)

 土佐市蓮池の西宮八幡宮で奉納され、700年近い歴史を誇るとされる「蓮池の太刀踊り」。浜田祐宏さん(58)=同市蓮池=は、半世紀にわたって踊りに携わってきた。少子化のあおりを受けながらも、「太刀踊りで地域を盛り上げたい」と伝承への思いを新たにしている。

 ひょんなことから太刀踊りと出合った。蓮池小学校4年の時、夜になると「カンカン…」というかねの音が聞こえてきた。同級生と謎の音源を探したところ、太刀踊りの練習に行き当たった。

 そのまま練習に参加し、約1カ月後の秋の大祭では踊っていた。地元を離れた時期もあったが、自分の子どもが踊るようになった24歳から再び本格的に太刀踊りに関わるようになった。

 小学生の踊り手不足は近年の課題で、2013年には2人だけになったことも。この時の1人は阪神タイガースにドラフト1位指名された高知高の森木大智投手だったそう。浜田さんは「せっかく今まで踊りが続いちゅう。何とか残さないかん」と奮起。7年ほど前からは同小学校で踊りの出前授業をして、“勧誘”に励む。

 太刀踊りでは、小学生も経験を積むと真剣を手に舞う。「真剣を持つと子どもらは一気に目の色が変わるがよ」と指導の醍醐味(だいごみ)を口にする。住民からも「祐宏君がおらんかったら伝統は途切れる」と期待がかかる。

 踊りは全13演目、1時間半ほど。「負担は大きいし、誰かに代わってほしい気持ちは常にある」と苦笑する浜田さん。それでも「子どもが目を輝かせて踊るのを見るのは楽しいし、子どもが多いとそれを見に来る人が増えて地域が盛り上がる。やっぱりそれが何よりうれしい」。11月の大祭に向け、早くも気合が入っている。(土佐支局・山崎友裕)

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