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2022.02.08 08:28

流産・死産語れる場を 高知市の助産師・木村さんが経験者の会「高知 てるてるぼうずの会」立ち上げ―ココハレ ピックアップ

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 子育て応援ウェブメディア「ココハレ」のおすすめコンテンツを紹介する「ココハレピックアップ」。今回は流産、死産を経験した人が集う「高知 てるてるぼうずの会」を紹介します。

 ◇ 

「てるてるぼうずの会」を立ち上げた助産師の木村和佳さん(高知市内)

「てるてるぼうずの会」を立ち上げた助産師の木村和佳さん(高知市内)

 幸せなはずの妊娠、出産。ですが、「無事に生まれてきてほしい」という願いがかなわないことがあります。「てるてるぼうずの会」は流産、死産の経験を語り合える場として、2019年に活動を始めました。

 運営するのは助産師の木村和佳さん。高知市で「きむら助産所」を開業し、赤ちゃん訪問や産後ケアなどに取り組んでいます。

 木村さん自身も当事者です。初めての妊娠で流産を、17年に4人目の子どもで死産を経験しました。

 4人目は初めての男の子。家族で楽しみにしていましたが、妊娠39週に入り、おなかの中で亡くなっていることが分かりました。

 「死産は出産と同じ痛み。でも、頑張って耐えても生きているこの子には会えない。むなしさを感じました」

 その後、木村さんは息子を失った現実にどう向き合えばいいか分からなくなりました。赤ちゃん訪問で元気に育つ赤ちゃんを見ると、たまらなくなりました。

 「助産師を続けるのがしんどい。でも、今ここでやめたら息子のせいになる」

 葛藤の末、「経験者が語り合える場を」と立ち上げたのが「てるてるぼうずの会」です。「流産や死産をした人へのサポートを途切れさせてはいけない」という助産師としての思いもありました。「てるてるぼうず」は息子の名前「光孝(てるたか)」にちなみました。

 20年に初めて集いの会を開催。参加者同士で悲しみを共有しながら、亡くなったわが子の話をしました。「息子のママ友ができた感覚になった」と木村さん。参加者も「楽しかった」と語りました。

 流産や死産の経験を「隠したい」という人もいれば、「誰かに話したい」という人もいます。「向き合い方に正解はないけれど、話すことが癒やしになる」と木村さんは感じています。

 「何年たっても、おばあちゃんになっても泣いていい。『話したい』と思う人の気持ちが少しでも晴れる場になればと思います」

 参加者は母親に限定せず、広く「流産・死産を経験された方」と呼び掛けています。次回は3月6日、高知市布師田の布師田ふれあいセンターで開催されます。(メディア企画部)

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