2022.02.08 08:40
モンベルアウトドアヴィレッジ本山に天体望遠鏡、天文家の男性が寄贈 3月に観測施設を開設
本山町に寄贈される天体望遠鏡「星尋51」(岡山県倉敷市、大野智久さん提供)
望遠鏡を寄贈するのは岡山県倉敷市の大野智久さん(73)。学生時代から星を追いかけ、これまでにも多くの望遠鏡を自作してきた。保育園や小学校などで星の魅力を伝える活動にも力を入れており、「星を見て目を輝かせている子どもたちを見るのが楽しいんです」とほほ笑む。
「星好きな子どもが増えることを願っています」と話す大野智久さん(本山町本山)
町に贈るのは、主鏡の口径51・4センチ、赤道儀と呼ばれる台座の重さが300キロ以上ある望遠鏡。天文家仲間から提供された機材や資材を使い、2015年から約3年がかりで完成させた。「星尋(せいじん)51」と名付けて、自宅の庭に建てた4畳半ほどの観測室に設置し、近隣住民らにも使ってもらっているという。
愛着のある望遠鏡を手放すのは自身の年齢を考えてのことで、大野さんは「望遠鏡はお墓に入れないし、誰かに使ってもらってなんぼ」。昨年、以前から親交のあった本山町の細川博司前町長に寄贈を申し出ていた。
「多くの人に使ってもらいたい」という大野さんの意向を受け、町は中心部に位置する「モンベル―」への設置について施設側と調整。駐車場の一角に約650万円をかけて平屋の観測室を建設することにした。
施設は町が管理し、町民は無料で利用できるようにする方針。観測会などのイベントも検討し、星がきれいに見える冬季の誘客などに役立てたい考えだ。大野さんは「望遠鏡は安全に使えて長持ちすると思う。気軽に月や木星、土星などを見て、星の魅力を味わってほしい」と話している。(谷沢丈流)