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2022.01.31 08:39

和気あいあい冬の山里 住民集って「コウゾ蒸し」土佐和紙原料、いの町吾北で伝統の作業

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蒸したコウゾを取り出す住民(写真はいずれもいの町上八川丙)

蒸したコウゾを取り出す住民(写真はいずれもいの町上八川丙)

 高知県吾川郡いの町吾北地域で29日、土佐和紙の原料となるコウゾの加工が行われた。畑から切り出したコウゾの枝を蒸して軟らかくし、1本ずつ皮を剥ぐ伝統の作業。冬の山里にもくもくと湯気が上がり、住民たちが和気あいあいと手を動かした。

 高知県はかつて全国一のコウゾ産地だったが、和紙の需要減や生産者の高齢化などで激減。吾北地域では住民グループ「上東を愛する会」が、和紙職人からの要請を受けて12年前から生産加工を手掛けている。

 年明け以降、メンバーは約600キロのコウゾを収穫。同町上八川丙の和田博さん(46)宅の庭で行われた蒸し作業には15人ほどが集った。

1本ずつ丁寧にコウゾの皮を剥いでいく住民

1本ずつ丁寧にコウゾの皮を剥いでいく住民

 コウゾは1回につき約200キロの枝を束にしてかまどの上に立て、甑(こしき)と呼ばれる高さ約2メートルの木おけをかぶせて時間ほど蒸した。その後、メンバーは「小学校の頃から手伝いゆう」「きょうはぬくいき作業しやすい」などと話しながら、一本一本丁寧に手で皮を剥いでいった。

 今後は皮をそいで白い繊維だけが残るようにする「へぐり」を行い、順次町内の和紙職人に出荷する予定。同会の筒井茂位会長(67)は「高齢の人も多いけどワイワイ作業するのは楽しい。できるだけ続けたい」と笑顔だった。(山崎友裕)

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