2022.01.28 08:34
空海ゆかりの巨岩!?発掘 高知県須崎市、伝承の土地から「二ツ石」 大善寺住職「感無量」
家の跡地から発掘された二ツ石(写真はいずれも須崎市西町1丁目)
「石からエネルギーを感じる」と話す高橋成暢住職
しかし、波にさらわれる人が多く、「須崎の親知らず」と呼ばれる交通の難所。平安初期に空海が、岩の上に立ち水難防止や航海安全を祈願し、刻んだ仏像を安置したのが二ツ石大師堂の起源とされている。
大善寺本堂前からの眺め。左下の発掘現場から海岸線は約250メートル後退した
高橋成暢住職(62)は2017年、二ツ石の西側の一つが埋まっているという言い伝えのある大師堂前の土地を購入。家屋の解体を済ませた今月21日、業者に依頼してパワーショベルで地面を掘った。
1・5メートルほど掘り進めると巨石が顔を見せた。すべて掘り起こすことは難しいが、現在露出している部分だけでも6・5メートル×3・5メートル×2・5メートルと巨大。全体は黒っぽく、一部は焦げ茶色で波に削られた跡があり、付着した貝殻も見つかった。
高橋住職は、二ツ石の西側と〝断定〟。「ないという人もいたので、見つかった時は感無量。信じていた思いが報われた。誰もが祈れる癒やしの場にしたい」。近くの70代男性は「本当にあったのでびっくり。あの石の上で弘法大師が祈ったと思うと感慨深い」と思いをはせていた。
東側の二ツ石は西側から約15メートル離れた場所にあるとの言い伝えがあるが、住宅があり発掘の予定はない。(富尾和方)