2022.01.25 08:39
「今ここに、昔のように沈下橋があったら―」…橋に魅せられた元教員語る―そして某年某日(13)
教員時代の溝渕幸三さんは、この沈下橋を渡って対岸の家庭を訪問した(四万十町大道)
さまざまな人や風景の「ある日」「そのとき」を巡るドラマや物語を紹介します。
「ほら、対岸に家が1軒だけ。あの家のための、専用の沈下橋ながです。実に味がある橋でしょう。僕の生徒の家やったもんで、この橋を渡って家庭訪問しましたよ。あの子は今、どうしよるろう?」
高岡郡四万十町(旧十和村)の大道(おおどう)地区。33年前、この地の大道中学校で教員を務めた溝渕幸三さん(75)=四万十市不破=が、四輪駆動の愛車で案内してくれた。
国道381号を久保川口で外れ、四万十の支流に沿って北上する。細い道を延々とさかのぼった先に、その沈下橋はあった。
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