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高知新聞PLUSの活用法

2022.01.21 16:01

【動画あり】連載「転倒予防、始めませんか?~土佐リハ生の運動講座~②」

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転ばないために必要なバランス能力を「棒体操」で鍛えましょう

  転倒予防には、適度に体を動かすことが大切です。土佐リハビリテーションカレッジ(高知市大津乙)の作業療法学科3年生が提案する「自宅でできる転ばない体づくり」。この回では「筋力」と「バランス能力」を鍛えていきましょう。

  まずはバランス能力から。バランス能力には「静的バランス」と「動的バランス」があります。静的バランスは立った状態でバランスを保つ能力のことで、例えば台所で立って料理をする時に必要です。動的バランスは動く時に必要で、例えば洗濯物を持って運ぶ時に使われています。

  バランス能力が衰えると、転倒しやすくなります。前回の「FRT(ファンクショナル・リーチ・テスト)」で腕を伸ばした時の長さが15.2センチ以下だった人には「棒体操」をお勧めします。

■棒体操

 棒状に丸めた新聞を投げ合う運動で、2人で行います。

①朝刊1部を片手で握りやすい太さに丸める
②両端と真ん中に別の色のテープを巻く。目印なので赤や緑などはっきりした色で
                    
③いすに座って向かい合う。間隔は3~4メートル空ける
  
 棒を相手に向かって投げるには、姿勢を整える必要があります。背筋を伸ばして投げることで、体幹も鍛えられます。

  いろいろな運動ができますが、まず始めたいのが次の三つです。順番に難しくなります。

 ①1本の棒を投げ合う。「せーのー、はい」と声を掛けながら
  
②2本の棒を投げ合う。「いっせーのーせ」と声を掛けながら

  ③目印の色を指定して投げる。受け取る側は指定されたテープの位置でつかむ

  右で投げる際は左足を、左手で投げる際は右足を出しましょう。棒は落としても大丈夫。座ったまま拾うことでバランス能力が養われます。足にも力が入るので、筋力も鍛えられます。

   また、投げられた棒を見ながら手を出してつかむ一連の動きによって、無意識に目の能力も養われます。転倒した際に上手に手をつき、けがを防ぐことにつながります。

 転倒予防にもう一つ大切なのは個別に各関節を動かすことです。普段の生活では決まった体の動きになることが多いため、意識して動かしましょう。

 今回は膝の関節に着目した運動を紹介します。

 ■膝の関節運動

①準備運動の深呼吸…2回
②膝伸ばし運動…「1、2、3、4」でかかとを膝の高さに上げ、「5、6、7、8」で元に戻す。左右10回ずつ行う


  ③腕を上げ下げする運動…「1、2、3、4」で両腕を伸ばして肩の高さに上げ、「5、6、7、8」で下ろす。10回行う

 年を取ると、関節が硬くなり、動かしづらくなります。すると、運動する機会が減り、さらに関節が硬くなるという悪循環に陥ります。

 膝の関節は歩く上で重要です。硬くならないためにも、今回ご紹介した膝運動をご家族や友達同士で楽しみながら続けてみてください。


(この連載は土佐リハビリテーションカレッジ作業療法学科3年生が「地域作業療法学」の授業で取り組み、講師の稲富惇一さん、桂雅俊さんが監修しました)

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