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2022.01.19 08:33

〈メジカのつみれ汁〉おばあの味を再現 ほっこり味めぐり(13)はまだ(四万十市中村大橋通4丁目)

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香り高いメジカのつみれ汁 (写真はいずれも四万十市中村大橋通4丁目)

香り高いメジカのつみれ汁 (写真はいずれも四万十市中村大橋通4丁目)

 冷たい風が吹いた時、寒さに手がかじかんだ時。誰しも、ふと思い出す温かい料理があるのでは。「メジカのつみれ汁」は、四万十市中村大橋通4丁目の料理屋「はまだ」店主、浜田大海(ひろみ)さん(36)の心にしっかり残っている味だ。

 市役所のすぐ東にあり、旬の魚など季節の料理を出す。メニューは仕入れに合わせて変わるため、浜田さんはほぼ毎日、お品書きを一から書き起こす。

 メジカが入荷している間の〝隠れメニュー〟がつみれ汁。幡多郡黒潮町佐賀出身の浜田さんは「寒い日におばあの家に行くと、いつも作ってくれたんです」と振り返る。

調理場で包丁を振るう浜田大海さん

調理場で包丁を振るう浜田大海さん

 「たぶん、つみれ汁は港町の家庭料理。家によってみそやニンニクを入れ、味付けが違うと聞きます」。母から伝え聞いた「おばあのレシピ」は至ってシンプル。つみれはしっとりした食感にするため魚肉に木綿豆腐を混ぜる。汁の味付けは濃い口しょうゆと塩のみだが、魚のうま味が染み出す。

 仕上げにのせたユズ皮の一片がふわり香る。湯気が立つ汁に口をつけると、優しい味がじわりと広がった。

 高知市などで約8年間の下積みを経て、2017年に自分の店を開いた浜田さん。料理人になってから祖母の手料理を度々思い出すという。「子ども時代はハンバーグとかの方に引かれたけど、今思えば、祖母の手から何か出ていたのかと思うくらいに、おいしかった」と笑った。

 先達の味の記憶と共に、今日も腕を振るう。(幡多支社・今川彩香)

 【メモ】つみれ汁は仕入れ値によって価格が変わるが500円前後。営業は午後5時~10時半(同10時オーダーストップ)。通常は日曜定休。中村大橋通4丁目79。電話0880・34・6340。

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