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2022.01.17 08:37

伝統の「左義長」変革と継承と...高知県東洋町、正月飾り燃やす「さぎっちょ」点火日時判断分かれる

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白浜東、白浜西は14日夕に点火。例年よりも多くの住民が火を囲った(写真はいずれも東洋町の白浜海岸)

白浜東、白浜西は14日夕に点火。例年よりも多くの住民が火を囲った(写真はいずれも東洋町の白浜海岸)

 正月飾りなどを燃やして無病息災を祈願する「左義長」。安芸郡東洋町では小正月の1月15日明け方に行われる伝統行事だが、今年は前日14日の夕方にも火が上がった。点火を早めた地区の責任者は「多くの住民に参加してもらうため」と語る一方、伝統を重んじて従来の日時に行った地区も。それぞれの思いとは―。

 「さぎっちょさん」と呼ばれ親しまれる同町の左義長は、地区ごとに竹やササで組んだ「ヤマ」を白浜海岸の砂浜に設営。甲浦東・西・中町が合同で1基、白浜東と白浜西が各1基の計3基が設けられる。進行はそれぞれ別だが、火は15日の午前6時に一斉にともしてきた。

 しかし今年は、白浜東、白浜西の2基の点火を14日夕に変更。責任者によると、年々減っていた住民の参加を促すため、寒い明け方を避けて人が集まりやすい時間帯にすることでまとまったという。

 14日午後5時、2基のヤマを囲うように約80人の住民が集結。白浜東の役員を務める今宮敏征さん(77)は「(集まりは)ここ数年の倍以上」と顔をほころばせ、「一年の無病息災を祈る大事な行事を、住民みんなで迎えたい。伝統を守ることも大切だが、時代に合わせて変えることも必要」と話した。

甲浦東・西・中町はこれまで通り15日明け方に火をともし、コロナ終息などを願った

甲浦東・西・中町はこれまで通り15日明け方に火をともし、コロナ終息などを願った

 一方、甲浦東・西・中町は従来通り15日午前6時に点火。責任者の吉永治喜さん(67)は「何十年もずっとやってきたものを変えるわけにはいかない。住民も伝統を守るべきだとの声がほとんどだった」とする半面、「それぞれに事情や考えがあっての決定」と、他地区の判断にも理解を示していた。

 変革、継承と方針は分かれたものの、ささげる祈りは変わらない。新型コロナウイルスの感染が再び広まり始める中、住民は一日も早い終息や無病息災を燃え盛る炎に願っていた。(板垣篤志)

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