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2022.01.01 08:41

DMVに記者が乗ってみた 徳島県海陽町~高知県東洋町 “変身”15秒、不思議感覚

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県内有数の観光地、室戸岬を駆けるDMV(室戸市室戸岬町=山下正晃撮影)

県内有数の観光地、室戸岬を駆けるDMV(室戸市室戸岬町=山下正晃撮影)


 ある時は線路、またある時は道路を駆ける阿佐海岸鉄道のDMV(デュアル・モード・ビークル)。お客さんを乗せたまま鉄道やバスに“変身”するという。一体どんな乗り心地? さっぱり想像がつかなかったので、実際に乗ってみた。

〈ギャラリーに写真11枚〉

宍喰温泉―甲浦駅―阿波海南駅―阿波海南文化村
 出向いた先は、道の駅宍喰温泉(徳島県海陽町)。午後4時すぎ、ここから出発する上り便に乗り込んだ。

 まずはバスモード。車内の座席や手すり、降車ボタンなどは一般的な路線バスそのものだ。出発すると国道55号を南下し、長いトンネルに入る。出口の先が県境だ。

 海の駅東洋町(安芸郡東洋町)を過ぎ、海岸線を離れて住宅地へ。真新しい甲浦駅の駅舎前からスロープを上っていく。町並みを一望できる高さまで来ると、車両はいったん停止した。

 「モードチェンジ、スタート」

 自動音声とともに、車両の前方がグイーンと持ち上がった。ボンネットから鉄の車輪を出したのだろう。その間、約15秒。揺れはほとんど感じず、ひどく傾いた気もしない。お尻も全然痛くない。とっても快適だ。

(左)太平洋を背に、サイクリング客と並走(東洋町野根甲=植村慎一郎撮影)(右)鉄道モードで疾走。甲浦駅に向かうDMV(東洋町河内=山下正晃撮影)

(左)太平洋を背に、サイクリング客と並走(東洋町野根甲=植村慎一郎撮影)(右)鉄道モードで疾走。甲浦駅に向かうDMV(東洋町河内=山下正晃撮影)


 この先はしばらく、阿佐東線の旅。レールの継ぎ目でガタン、ゴトンと車両が揺れる。まるっきりバスの内装なのに、刻むリズムは鉄道そのもの。何とも不思議な感覚で、わくわくが止まらない。

鉄道モード時はハンドル操作不要(山下正晃撮影)

鉄道モード時はハンドル操作不要(山下正晃撮影)

 ふと運転士さんを見ると、何と“手放し運転”。「レール上ではアクセルとブレーキだけ。ハンドルは触らないよ」。この方、以前はバス会社に勤めていたそうで、運転はお手のもの。「でも今は、全く新しい乗り物を動かしてるみたい」。少年のように目を輝かせて教えてくれた。

 色とりどりのコスモス畑、トンネルの合間からのぞく海に目を奪われ、阿波海南駅へ。再びモードチェンジして、終点の阿波海南文化村に着いた。非日常的な刺激にあふれた、約40分の旅だった。

 室戸市までの帰り道、どこまでも続く青い海や漁師でにぎわう港、雄大な大地が目に入り、ふと思う。この風景、DMVからはどう見えるのだろう―。

 知らない景色は、まだまだある。今年もDMVに乗って、旅に出よう。(室戸支局・板垣篤志)

運行初日に“祝砲”。花火に照らされるDMV(東洋町白浜の海の駅東洋町=山下正晃撮影)

運行初日に“祝砲”。花火に照らされるDMV(東洋町白浜の海の駅東洋町=山下正晃撮影)

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