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2021.12.27 08:39

老舗文具店・内田文昌堂、歴史に幕下ろす 最終日も常連客ら行列 高知市 

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店内は名残を惜しむ客らで終日ごった返した(高知市本町1丁目の内田文昌堂)

店内は名残を惜しむ客らで終日ごった返した(高知市本町1丁目の内田文昌堂)

 老若男女に親しまれてきた高知市の老舗文具店「内田文昌堂」(本町1丁目)が26日、店のシャッターを下ろした。店内は間際まで、別れを惜しむ客らでにぎわった。

 同社は1975年から現社屋で営業。画材に書道用品に事務機器にと、何でもそろう大型店として多くの人に親しまれてきたが、近年は通販の波にも押され、来店客が減少。建物の老朽化もあって閉店を決めた。

 11月17日に売り尽くしセールを始めると、閉店を惜しむ客が押し寄せ、1日当たりの来店客数は2倍以上に。入場制限をかけたこともあったそうで、内田隆夫社長(67)は「開店以来のにぎわい。眠っていたメルシー券をかき集めて来てくださる方も多くて、うれしかった」と言う。

 最終日は午前10時の開店から市内外の客がひっきりなしに訪れ、レジ待ちの列が多い時で50人ほどに。常連客が店員と「寂しゅうなるねえ」「お疲れさま」「元気でね」と声を掛け合う姿もあった。市内の自営業の女性(54)は「人生の節目には、ここで万年筆を購入してきた。私にとって特別なお店なので最後の姿をこの目に焼き付けたくて。印鑑を買ってお守りにします」と話していた。

 午後6時50分ごろ、支払いを終えた最後の客を全員で見送り、シャッターを下ろした内田社長。「常連さんの顔を見ると涙があふれてきそうやった。長い間愛していただき、ありがとうございます」と頭を下げた。今後は、事務用品などの外商専門で営業する。(宮内萌子)

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