2021.12.23 08:37
土佐「宇宙深海酒」ついに発売 旅した酵母で高知県内6蔵元、世界初プロジェクトが実現

宇宙深海酒の発売に合わせて開かれた試飲販売会(写真はいずれも高知市の高知大丸)

試飲販売会に並んだ宇宙深海酒など6銘柄。来春にかけてさらに新商品が登場する
19年の初挑戦は酵母が高水圧と低水温に耐えきれず全滅し、上東さんは圧力に耐性のある酵母を育成。今年1月の再挑戦では、水深約6200メートルの海底に4カ月間沈めた宇宙酵母5種と通常の6種が生きており、10月から県内の酒蔵で仕込みが始まった。
県酒造組合は、宇宙と深海を両方経験した酵母と、宇宙を旅した県産酒米「吟の夢」か「風鳴子」で造った酒を宇宙深海酒と規定。他の酒米や深海のみの酵母で造った酒は深海酒として販売する。今シーズンは6蔵元が宇宙深海酒、4蔵元が深海酒を仕込み、酒販店やスーパー店頭などに順次並ぶ。
高知大丸で開かれた試飲販売会には、発売を待ち望んだ客が次々と。香南市の男性(65)は「宇宙の高さや海の深さを感じながら味わいたい」。駆け付けた諸野さんも「粘り強い努力が成果に結びついて感慨深い」と話した。
上東さんは「多くの人に喜んでもらえてうれしい。来年も酵母を深海に沈めて宇宙深海酵母のラインアップを広げ、商品も増やしたい」と、さらに意欲を燃やしていた。(井上智仁)