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2021.12.12 08:31

やまさき×黒笹・釣りバカ対談in高知(上)連載千回で打ち切り案 「うっちゃられた」

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 人気漫画「釣りバカ日誌」(小学館)の原作者、やまさき十三さん(80)が、初代担当編集者の黒笹慈幾(やすし)さん(71)と、高知県黒潮町で行った対談の要旨をお送りする。

「釣りバカ日誌」の始まりを振り返るやまさき十三さん=右=と黒笹慈幾さん(黒潮町の大方あかつき館)

「釣りバカ日誌」の始まりを振り返るやまさき十三さん=右=と黒笹慈幾さん(黒潮町の大方あかつき館)

 黒笹「作品づくりのきっかけを」

 やまさき「1978年に東京から浦安に引っ越したら、近くの境川でハゼ釣りをやっていた。やってみると面白い。東京湾に五目釣りに行くようになり、雪のクリスマスに夜中の11時まで川釣りをするぐらいはまったところで、小学館から『釣りの漫画を』と声が掛かった。当時は『釣りキチ三平』がはやっていて、『あんなに釣りに詳しくないけど、釣りにのめり込んでいく人の話なら描ける』ということで、最初は増刊号に書いた」

 黒笹「作画は、北見けんいちさんに決まりましたね」

 やまさき「北見さんは赤塚不二夫さんの弟子だからギャグが描けるはずだと。それと漫画家同士の野球チームで、ちょっと太っている北見さんが一塁に腹から滑り込んだらしい。編集部が、あのファイトならやれると見込んだんだね。ちょうどサラリーマンが『仕事ばかりでいいのか』という世の流れもあってうけた。私も北見さんも駆け出しだったけど、黒笹さんら若い現場スタッフに『新しいものを創ろう』という熱気があったから、本誌連載が始まった」

 黒笹「原作がものすごく面白かった。この面白さを減じない漫画ができるのか、と心配したほど。北見さんとの出会いは奇跡的です」

 やまさき「今年5月に連載が千話を迎えたんだけど、実は千話が打ち切り時かなという気持ちもあって、北見さんに『一区切りにしない?』と提案したんです」

上林暁文学館に寄贈された第1000回の原稿

上林暁文学館に寄贈された第1000回の原稿

 黒笹「そうなんですか」

 やまさき「でも、簡単にうっちゃられました。『まだ続きますよ~』って。逆に励まされて続いています」

 黒笹「隔週連載だから500月以上、40年。すごいなあ。主人公のハマちゃんも、みち子さんも年をとらないまま」

 やまさき「結婚記念日の話を書いた時、何周年て書けなくて困りました」

 黒笹「ハマちゃんはノーテンキで、でも会社になくてはならないところが奥深い。ハマちゃんの『あなたを幸せにする自信はないけど、自分が幸せになる自信はある』というプロポーズも、いいコピーですよねえ」

 やまさき「(芥川賞作家の)高橋三千綱さんが『プロポーズ』っていうエッセー集で使ってくれたんだよ。ある女性は『何これ!』って怒ってたけどね」

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