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2021.12.09 08:37

どうする?桂浜 現在過去未来 第3部(1)ヤマ場迎えた再整備

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商業エリアの完成予想図(高知市提供)

商業エリアの完成予想図(高知市提供)

 高知市の桂浜再整備が、ヤマ場を迎えている。市は、商業施設の改修と10年間の公園管理を任せる指定管理者の候補に、土産物会社「はりま家」(高知市桟橋通4丁目、千頭一弘社長)を選定。開会中の市議会12月定例会に関連する議案を提出した。「経年劣化」の目立つ高知観光のシンボルが、再興を目指して動きだした。

 「桂浜の今後の可能性について、いい提案を受けた。桂浜を全国へ発信していくためのプロデュース能力を評価している」

 11月29日、定例記者会見に出席した岡﨑誠也市長は「自分は審査員ではない」と前置きしつつ、指定管理者の候補に選んだ「はりま家」のプランに太鼓判を押した。

 市は7月から指定管理者の公募を開始。11月に市幹部や民間識者による審査を行い、手を挙げた4社の提案を精査した。はりま家のプランは、テーマ性を持たせた施設改修や、多様なターゲットを想定した施設配置などが評価された。

 はりま家は同市内と香川県のNEWレオマワールドで土産物店を計7店営み、卸売りや土産物の企画開発も手掛ける。同社は本紙の取材に「現時点ではお答えしづらい」とするが、プランの概要は明らかになっている。

 市観光振興課によると、改修対象の土産物店4棟が並ぶ商業エリアを「桂浜 海のテラス」と名付け、「食べる」「買う」「学ぶ」「憩う」をテーマに県産木材を使って再生する。

 4棟のうち、「風」「潮」と名付ける2棟は飲食施設とし、6区画に分けて飲食業者のテナントを誘致する。「光」ははりま家直営の物販店とコミュニティーホールなどを設置。「月」は桂浜や坂本龍馬像、浦戸城の歴史を学ぶミュージアムとする。

 ほかに、複数のイベントスペースも新設する予定。本年度中に更地となる「龍馬の浜茶屋」跡に、地場産市を併設したイベント施設「龍馬ゆめ広場」、県うぶすな博物館跡には屋根付きの「おりょう広場」を整備。中央の広場は屋根付きのテラス(100席)とする。

 運営面では「海のバザール」など、年間を通じて多彩なイベントを企画。駐車場を無料開放した週末の夜間営業や、観光遊覧船と連携した桂浜発着クルーズも検討するという。

 同社プランが市議会で可決されれば、市と契約を結ぶ。改修工事を経て、新しい桂浜が来年10月にプレオープンする。

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 市の方針と民間ノウハウの導入により、桂浜再整備が像を結び始めた。現在、はりま家のプランに先行する形で、市による観光案内所の改修やトイレ洋式化などの工事が進む。

 ただ、第2部で示した通り、桂浜は県内屈指の観光地であると同時に、かつて暗い歴史が刻まれ、行政がゆがめられた時期もある。名実ともに市民の財産となるためには何が必要か。連載を締めくくる第3部は、ゆかりの人物や団体、識者らのインタビューを通して桂浜の未来を考える。(報道部・芝野祐輔)

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