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2021.12.06 08:35

ヤイロチョウ生態脅かす!?外来種「サンジャク」捕獲し調査  高知県四万十町で保護団体  

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高知県西部に広く生息、影響調査へ
 
捕獲されたサンジャク(写真はいずれも四万十町大正の四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター)

捕獲されたサンジャク(写真はいずれも四万十町大正の四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター)

国や高知県が絶滅危惧種に指定する県などの鳥、ヤイロチョウの生態を脅かす恐れが指摘されている外来種のサンジャク2羽が、5日までに高岡郡四万十町で捕獲された。ヤイロチョウ保護に取り組む公益社団法人生態系トラスト協会(同町大正)の情報収集で、県西部に広く生息していることが判明。同協会は県の捕獲許可を受け、2羽を飼育してヤイロチョウなどへの影響を調べ始めた。

 サンジャクは中国中南部などに分布するカラス科の外来種。雑食性で、果実や肉、他の野鳥の卵なども食べるとされる。

サンジャクを捕獲わなからケージに移した中村滝男さんら

サンジャクを捕獲わなからケージに移した中村滝男さんら

 捕獲された2羽は、いずれも尾を含め体長約60センチで性別不明。同町下津井の男性が11月26日と29日、それぞれイノシシ肉を入れたわなに掛かっているのを見つけた。

 同協会の中村滝男会長(70)らは県から学術目的での捕獲許可を受け、四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター(同町大正)で飼育。詳しい食性や生態などを調べる。

 サンジャクは数年前から同町下道のヤイロチョウ保護区の森林で確認され始めた。その影響か、今年はヤイロチョウの子育てが見られず、コジュケイのひな5羽がサンジャク3羽に地上で追いかけられる姿もあったという。

 同協会の調査で、サンジャクは約20年前、飼育されていた愛媛県宇和島市の公園施設から複数羽が逃げたことを確認。四万十町や同郡梼原町、津野町、幡多郡黒潮町などでの目撃情報が寄せられており、野生化して県西部にも生息域を広げているとみられる。

 中村さんらは、サンジャクがヤイロチョウなどの野鳥を縄張りから追い出しているとして「外来種がこれ以上増えない対策が必要。早急に実態を調べて方向性を見いださないと手遅れになりかねない」と危機感を示す。

 一方、県自然共生課は「現状ではヤイロチョウなどへの影響を判断できない。調査を支援しながら状況を見守りたい」としている。

 目撃情報や捕獲協力などの問い合わせは同協会(050・8800・2816)へ。(小林 司)

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