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2021.11.27 08:00

【補正予算案】歳出最大に効果は伴うか

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 新型コロナウイルスで打撃を受けた社会経済が立ち直るための施策を追求したという名目ならば期待もしたい。しかし、規模を膨らませただけでは効果が限定的になりかねないと危惧してしまう。
 政府は2021年度補正予算案を決定した。先ごろ決めた経済対策の裏付けとなり、関連の追加歳出は31兆5千億円を超えた。地方交付税交付金などを加えた一般会計の歳出規模は36兆円に迫る。補正としては過去最大となった。
 財源として、新規国債を22兆円余り発行する。歳入の上振れで抑えられはしたが、歳出の半分以上を借金に頼る構造だ。21年度の新規国債発行額は、当初予算の43兆円と合わせ65兆円超に膨らむ。
 財政の悪化に危機感が強まる。岸田政権が菅前政権に見劣りしないように額を積み上げたと言われ、来夏の参院選をにらんでの積極的な財政出動との見方もある。
 新型コロナ禍が下火となる中での対策規模の拡大に、違和感も指摘される。緊急性や必要性の検討が十分なのか、国会での重要論点となる。当然、財政健全化への道筋を明らかにすることも欠かせない。
 18歳以下の子どもを対象とする10万円相当の給付は、一部は新型コロナ対策予備費から先行給付に充てる。所得制限を設けたが、両者を合わせて2兆円近い額となった。
 給付を巡っては、所得制限の在り方に自民党内からも異論が出た。また、子ども支援や経済対策としての効果に疑問も向けられる。議論を深める必要がある。
 新型コロナ対応で財政が逼迫(ひっぱく)する雇用保険向けや、雇用調整助成金の給付費用なども盛り込んだ。いずれも必要なものだ。
 ただ、必要な人に必要な時期に着実に届かなければ効果は薄い。これまでには遅れが指摘される一方、不正受給や過払いが明らかになっている。反省を生かし、柔軟かつ厳格に取り扱う方策を策定しなければ同じことが繰り返されかねない。
 社会経済活動の再開を目指し、観光支援事業「GoToトラベル」関連費が計上された。需要喚起策「GoTo」事業の期限は最長でことし12月までだったが、経済対策では来春の大型連休ごろまで延長する方針を掲げた。
 地域の飲食・観光業界などへの支援は不可欠だ。ワクチン接種証明書などを使い、イベント入場や飲食店利用に関する制限が緩和される。日常生活の回復が期待される。
 ただ、過去には感染拡大が懸念される状況となってもうまく改められず、批判が強まったことがある。科学的な知見との整合を説明できなかったことが政策への不信にもつながった。感染の動向を見極めて対応する姿勢を忘れてはならない。
 新型コロナによる困窮や事業の低迷を乗り越える施策が求められる。必要なのは短期の対応にとどまらず、長期的に支える制度だろう。そんな視点で、傷んだ経済を再建し暮らしを立て直す方策を探りたい。

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