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2021.11.24 08:44

絶景!駅近の異世界「佐川ナウマンカルスト」映える岩々、親子象がお出迎え

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雄大な景色が広がる佐川ナウマンカルスト(写真はいずれも佐川町甲)

雄大な景色が広がる佐川ナウマンカルスト(写真はいずれも佐川町甲)


佐川中生 手作り案内板

 「カルスト」と言えば、真っ先に思い浮かぶのは、高知、愛媛県境にある四国カルストだろう。ただ本県には、最寄り駅から徒歩約20分というお手軽な場所に絶景があることをご存じだろうか。一度は耳にしたことがあるかもしれない。その名は「佐川ナウマンカルスト」。

 「映える」穴場スポット、「佐川ナウマンカルスト」はお手軽な場所にある。高岡郡佐川町のJR佐川駅から国道494号を南へ。さかわナウマングラウンドから脇道を進み、古ぼけた看板に沿って坂道を上がっていくと、いきなりバーンとカルストが目に飛び込んでくる。

密集した石灰岩が荒波のようにも見える佐川ナウマンカルスト

密集した石灰岩が荒波のようにも見える佐川ナウマンカルスト

 無数のゴツゴツした岩は、水に溶けやすい石灰岩の台地が雨水などで浸食され、残ったもの。ナウマンカルストは町の指定文化財で、明治時代に町を訪れたドイツの地質学者、エドムント・ナウマンにちなんで命名された。

 1986年、山林だった場所を町が公園に整備。約2ヘクタールの山肌には、さまざまな形の石灰岩がニョキニョキ。岩が密集している場所は荒波のようだ。巨大なナウマン象の像も圧巻で、全長9・2メートル、高さ5・5メートルの親象に、子象が寄り添う。

巨大なナウマン象の像

巨大なナウマン象の像

 ステージもあり、公園化から90年代までは大規模な野外コンサートも開かれにぎわったが…。

 近年は町内のアマチュアバンドが年に1回、ミニライブをする程度だという。町やさかわ観光協会のホームページで紹介しているものの、観光協会の職員は「月平均1、2回、行き方などの問い合わせはあるが、マムシが出ることもあり積極的には発信しづらくて」。

佐川中学校の生徒が設置した手作りの案内板

佐川中学校の生徒が設置した手作りの案内板

 本年度は佐川中学校の3年生が総合的な学習の時間にカルストのPR策を考え、新たに手作りの案内板やベンチを設置。11月にはクイズラリーや映画上映などのイベントも開かれた。ネットには「小規模だが、なかなか見られない珍しい風景」「異国に来たかのような幻想的な世界」などの紹介がちらほら上がっている。これは再評価の兆し!?

 ◇  ◇ 

 とある快晴の週末。約20年ぶりにナウマンカルストを訪れた町出身男性(36)。佐川高校生のころ、夕方に友人とミニバイクで上がってきてはギターを奏で歌っていたそう。「懐かしいなあ。変わってない。またバンド仲間と集まって、野外ライブとかできんかな。今度は息子も連れてきます」

 予想以上に人がやってくる。ネット記事でカルストを知ったという高知市の20代姉妹は「ファンタジックで、めっちゃ好き。草原に岩しかない異世界のような景色が、こんなところで見られるなんて!」と熱心に写真撮影していた。

 高松市の団体職員、秋庭祐規子さん(34)は、旅行先を探し地図アプリを眺めている時に、偶然ナウマンカルストを見つけ、夫婦でやってきた。「さっきまで町中だったのに、急に現れて衝撃的。わざわざ来てよかった」と興奮していた。

 観光協会の職員も「駅から歩いてカルストが見られるところは、ほかにないのでは」と、ちょっと控えめに自慢する絶景。マムシ対策を万全にし、異世界体験に訪れてみては。車でも行けるものの、道幅は狭い。麓にある妙像寺の駐車場は、使用厳禁。(楠瀬健太)

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