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2021.11.20 08:27

[音土景] 音感じる土佐の風景(11)積もる落ち葉 近づく年の瀬

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 色づいた葉が1枚、また1枚。はらり、はらりと舞い落ちる。落ち葉のじゅうたんの上を、一歩一歩進む。その響きは、どこかもの悲しくもあり、お菓子を食べた時のようなうれしさもあり…。木立から差し込む西日を受けて、はらり、はらり。また葉が落ちてきた。

 ここは高知市の針木浄水場(針木北1丁目)の敷地。数十本のタイワンフウが並んでいる。浄水場の職員によると、施設ができた1979年ごろ、職員が植樹したもの。「『市民の憩いの場に』という願いを込めて植えたと聞いています」。モミジなども植えられ、紅葉シーズンには多くの県民が訪れる場所になった。

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 一方、清掃の人には苦労が多い時季だ。

 こちらは、昼下がりの高知市の城西公園(丸ノ内1丁目)。ベンチに座るサラリーマンや家族連れが色づいたイチョウを横目に、思い思いの時を過ごしている。傍らで、2人の男性が竹ぼうきで葉を掃き集めていた。

 「朝から掃除しても、夕方にはまた朝と同じくらい落ちていて…。しょうがないですけど」と笑うのは尾原洽三(こうぞう)さん(74)。並んで作業する佐野康典さん(69)も「この時季は竹ぼうきがちびて、2週間しか持ちません」と苦笑い。落ち葉は、70リットルのごみ袋30個分ほどになるそうだ。

 2人は、市から清掃を受託した高知市シルバー人材センターの会員。計5人で週に5日、清掃しているという。

 風が吹いた翌朝は、イチョウの葉で地面が黄色に染まることも。市民に「写真を撮りたいき、もう少し置いちょって」と頼まれ、並木の掃除を「後回しにしたこともある」と尾原さん。佐野さんは「きれいになったと感謝されると、力が入るね」。一休みを終え、作業に戻った。

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 再び、針木浄水場。こちらは一面、落ち葉に覆われている。見上げれば大ぶりの葉が傾く日を浴び、金色に染まっている。

 折り畳み椅子を持ち込み、絵のような世界を堪能していた家族連れは「今しか聞けない音ですね」。枯れ葉が立てる音に耳を澄ませ、ほほ笑んだ。

 ふんわり積もった葉を踏みしめて歩く。一歩一歩、年の瀬が近づく音がする。(森本敦士)

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