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2021.11.11 08:43

「田舎で世界初の乗り物」「やっと決まった」阿佐東線のDMV、観光振興に期待 高知県東洋町・室戸市

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DMVが停留する甲浦駅。高架の線路からスロープを下ってバス走行する(東洋町河内)

DMVが停留する甲浦駅。高架の線路からスロープを下ってバス走行する(東洋町河内)


 「やっと決まった」「小さな田舎で世界初の乗り物が走る」。12月25日の営業運行開始が決まった阿佐海岸鉄道・阿佐東線のデュアル・モード・ビークル(DMV)。沿線の東洋町や室戸市では観光関係者らが正式決定の一報に安堵(あんど)し、観光振興に改めて期待を膨らませた。

 鉄道と道路両用のDMVの本格運行は海外でも例がなく、安全性実証などのため運行開始は2度延期された。それだけに東洋町観光振興協会の嶋田数昌代表理事(59)は「心配したが決まってよかった」としみじみ話す。

 同協会は今夏、甲浦駅などでシェアサイクルサービスを開始。運行後は県外客や鉄道ファン向けのイベントも仕掛ける考えで、「継続的に発信して地域振興、移住促進につなげたい」と意気込む。

 バス形態時のDMVの停留所となる海の駅「東洋町」のスタッフ、橋本恵子さん(46)は農作物や鮮魚などの売り上げ増に期待。「PR商品のDMVカレーなどもよく売れていて、地元や観光客の関心は高い。生産者の利益増にもつながれば」と話した。

 DMVは休日には室戸市まで走る。市観光ジオパーク推進課の大西亨課長(47)は「新たなチャンス。廃校水族館や室戸ドルフィンセンターなどと連携して盛り上げの企画を考える」。現在閉鎖中の海の駅「とろむ」は同市が買い取り、DMVの運行も追い風に再建を目指している。

 観光客増への期待の一方、同鉄道などは地域の足としても見直してもらい、路線維持につなげたい考え。運行開始までに住民試乗会や県内を巡るPR活動も計画している。

 東洋町では同線の定期利用者は少ないのが現状だが、「運行が始まったら絶対に乗りたい」と話す町民も。同町河内の川上佳伸さん(75)は「世界からも目を向けてもらえるはず」と、新たな〝地域の宝〟の誕生を歓迎した。(板垣篤志)

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